アップニーク(アップニークミニ点眼液0.1%)は、後天性眼瞼下垂に使う国内初の点眼薬です。1日1回の点眼でまぶたを持ち上げる筋肉を収縮させ、上まぶたを一時的に引き上げます。効果は点眼後数時間続く一時的なもので、点眼をやめると元の状態に戻ります。
アップニークは、有効成分オキシメタゾリン塩酸塩が上まぶたのミュラー筋に作用し、下がったまぶたを一時的に引き上げる後天性眼瞼下垂の治療薬です。
本記事では、アップニークの国内添付文書・参天製薬の承認発表・米国FDAの添付文書を突き合わせ、効果が続く時間、臨床試験の結果、副作用、使用前に相談が必要な人を整理します。
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アップニークとは?
アップニークは、参天製薬が製造販売する後天性眼瞼下垂の点眼薬です。2025年12月22日に国内で製造販売承認を取得し、2026年5月15日に発売されました。後天性眼瞼下垂を効能・効果とする点眼薬は、国内ではアップニークが初めてです。
| 製品名 | アップニークミニ点眼液0.1% |
|---|---|
| 有効成分 | オキシメタゾリン塩酸塩 |
| 効能・効果 | 後天性眼瞼下垂 |
| 用法・用量 | 成人に1回1滴、1日1回点眼 |
| 容器 | 1回使い切りの容器(0.3mL×30本) |
| 国内承認 | 2025年12月22日 |
| 米国承認 | 2020年(製品名 UPNEEQ) |
| 保険 | 薬価基準未収載のため自由診療 |
アップニークは米国で2020年に、成人の後天性眼瞼下垂の治療薬としてFDAの承認を受けています。国内では参天製薬が国内の臨床試験を行い、承認を取得しました。
後天性眼瞼下垂とは?
後天性眼瞼下垂は、生まれたあとに上まぶたが下がり、黒目にかぶさってくる状態です。国立病院機構 京都医療センターによると、主な原因は加齢によってまぶたを持ち上げる腱膜がゆるむことで、ハードコンタクトレンズの長期使用や白内障手術のあとにも起こることがあります。
後天性眼瞼下垂の主な症状は次のとおりです。
- 上まぶたが重く、黒目の上側が隠れる
- 上の方が見えにくい(上方の視野が狭い)
- 額の筋肉を使って目を開けるため、眉が上がり、額にしわが寄る
- 目を開けるために力が入り、頭痛や肩こりにつながることがある
アップニークはどうやってまぶたを上げる?
アップニークの有効成分オキシメタゾリンは、上まぶたにあるミュラー筋のαアドレナリン受容体に作用し、ミュラー筋を収縮させます。ミュラー筋が縮むことで、上まぶたが引き上げられます。
上まぶたを持ち上げる筋肉は、主に眼瞼挙筋とミュラー筋の2つです。眼瞼挙筋は自分の意思で動かす筋肉で、ミュラー筋は交感神経の働きで収縮する筋肉です。アップニークはミュラー筋だけに働きかける薬で、ゆるんだ腱膜そのものを治すわけではありません。
アップニークの効果はいつから・どのくらい続く?
米国FDAの添付文書では、アップニークを点眼すると約2時間でまぶたの引き上げが最大になり、8時間後まで続いたと記載されています。国内の臨床試験でも、点眼後8時間以上にわたる改善が探索的な解析で確認されています。
アップニークの効果は、点眼したその日のうちに現れて数時間続く一時的なものです。ビマトプロスト外用液(まつ毛の育毛薬)のように数か月かけて効果が出る薬ではありません。点眼をやめれば効果はなくなり、まぶたの状態が元に戻ります。
| 項目 | 国内(参天製薬の発表・添付文書) | 米国(FDA添付文書) |
|---|---|---|
| 効果の評価時点 | 14日間点眼したあと、朝の点眼から2時間後 | 1日目の点眼6時間後、14日目の点眼2時間後 |
| 効果が最大になる時間 | 記載なし | 点眼後約2時間 |
| 効果の続く時間 | 点眼後8時間以上の改善(探索的な解析) | 点眼後8時間まで続いた |
| 評価の指標 | MRD-1(瞳孔の中心から上まぶたの縁までの距離) | 上方の視野の検査(主要評価)とMRD-1 |
効果の現れ方や続く時間には個人差があります。眼瞼下垂の原因や程度によっては、効果を感じにくいこともあります。
臨床試験でどのくらいまぶたが上がった?
国内の臨床試験では、アップニークを14日間点眼した時点で、上まぶたの位置がプラセボ(有効成分を含まない点眼液)より有意に改善しました。国内添付文書によると、MRD-1の変化量はアップニーク群が平均1.09mm、プラセボ群が平均0.50mmで、その差は0.59mmでした。
国内の臨床試験は、MRD-1が2mm以下の後天性眼瞼下垂の患者336人を対象とした、ランダム化二重遮蔽比較試験です。評価は14日目の朝の点眼から2時間後に行われ、試験は最長6か月まで続けられました。
米国では2つの臨床試験(140人と164人)で、上方の視野がどのくらい見えるようになったかを主な指標として評価しました。どちらの試験でも、アップニーク群はプラセボ群より上方の視野が広がり、1日目の点眼6時間後と14日目の点眼2時間後の両方で差がみられました。
アップニークの使い方と注意点
アップニークは、成人に1回1滴、1日1回点眼する薬です。国内添付文書の適用上の注意は次のとおりです。
- 容器の先端が目に直接触れないようにして点眼する
- 開封したら最初の1〜2滴は点眼せずに捨てる
- 点眼後は1〜5分間まぶたを閉じ、目頭(涙嚢部)を軽く押さえる
- 開封した容器は1回で使い切り、残った液は捨てる
- ほかの点眼薬を使う場合は、5分以上あけて点眼する
国内添付文書には、瞳孔が開いて見えにくくなった場合は、回復するまで車の運転や機械の操作を避けるよう記載されています。まぶたに炎症がある場合は、炎症が治まってから使います。
国内添付文書には、コンタクトレンズについての記載はありません。米国の添付文書では、コンタクトレンズを外して点眼し、15分たってから装用するよう定めています。コンタクトレンズを使っている人は、点眼のタイミングを医師に確認してください。
アップニークの副作用は?
国内添付文書に記載されている副作用は、眼瞼のかゆみ(頻度1%未満)、結膜充血、点状角膜炎、霧視(かすみ目)、結膜浮腫、眼瞼湿疹、視力障害、血圧上昇、心拍数減少(いずれも頻度不明)です。参天製薬の発表によると、国内の臨床試験で重篤な副作用は報告されていません。
米国の添付文書では、臨床試験で1〜5%の人に、点状角膜炎、結膜充血、ドライアイ、かすみ目、点眼部位の痛み、目の刺激感、頭痛がみられたと記載されています。ドライアイ・点眼部位の痛み・頭痛などは米国の添付文書にのみ記載されている項目です。
| 国内添付文書 | 米国FDA添付文書(臨床試験で1〜5%) |
|---|---|
| 眼瞼のかゆみ(1%未満)/結膜充血/点状角膜炎/霧視/結膜浮腫/眼瞼湿疹/視力障害/血圧上昇/心拍数減少(頻度不明) | 点状角膜炎/結膜充血/ドライアイ/かすみ目/点眼部位の痛み/目の刺激感/頭痛 |
目の充血やかすみ、まぶたのかゆみが続く場合や、動悸・めまいなど体調の変化がある場合は、使用を中止して医師に相談してください。
アップニークを使う前に医師への相談が必要な人
アップニークの成分で過敏症を起こしたことがある人は、アップニークを使えません。国内添付文書は、次の人に注意を求めています。
- 心血管系の病気がある人:血圧や脈拍が変動し、症状が悪くなるおそれがある
- 閉塞隅角緑内障の人:急性の緑内障発作を起こすおそれがある
- MAO阻害剤を使っている人(セレギリン、ラサギリンなど):急に血圧が上がるおそれがある
- 降圧剤を使っている人:降圧剤の作用が強まるおそれがある
- 強心配糖体を使っている人(ジゴキシンなど):血圧や脈拍を上げる作用が強まるおそれがある
- 妊娠中・授乳中の人:治療の必要性とリスクを比べて医師が判断する
国内添付文書には、小児を対象とした臨床試験は行われていないこと、6か月を超えて点眼した場合の有効性と安全性は検討されていないことも記載されています。
米国の添付文書は、国内添付文書で注意が必要とされる人に加えて、起立性低血圧、脳や心臓の血流不全、シェーグレン症候群がある人にも注意を求めています。持病や使っている薬は、すべて医師に伝えてください。
点眼の前に受診が必要なまぶたの下がり方
急にまぶたが下がった場合は、アップニークを使う前に医療機関を受診してください。片側だけ急に下がった、物が二重に見える、強い頭痛がある、手足のしびれや話しにくさがある場合は、脳や神経の病気(動眼神経麻痺など)や重症筋無力症などが原因のことがあります。
夕方になるとまぶたが下がる、日によって下がり方が変わる場合も、重症筋無力症などとの見分けが必要です。アップニークの対象は後天性眼瞼下垂で、まぶたが下がる原因を確かめてから使う薬です。
アップニークと眼瞼下垂の手術はどう違う?
アップニークと眼瞼下垂症手術の最も大きな違いは、効果の続き方です。アップニークは毎日の点眼で一時的にまぶたを上げる治療で、手術はまぶたの構造を治して効果が続く治療です。
| 項目 | アップニーク(点眼) | 眼瞼下垂症手術 |
|---|---|---|
| 方法 | 1日1回点眼 | まぶたを切開し、腱膜や筋肉を縫い縮める |
| 効果の続き方 | 点眼後数時間の一時的な効果 | 手術後も効果が続く |
| ダウンタイム | なし | 腫れ・内出血が出る |
| 保険 | 自由診療 | 眼瞼下垂症と診断されれば保険適用 |
| 検討されやすい人 | 手術の前に試したい人/特定の日だけまぶたを上げたい人/手術を希望しない人 | 視野が大きく狭くなっている人/効果を長く続けたい人 |
視野が大きく狭くなっている場合や、まぶたが黒目の中心近くまで下がっている場合は、手術が適していることがあります。眼瞼下垂の程度と原因を医師に診てもらい、治療法を選んでください。
アップニークはどこで処方してもらえる?
アップニークは医療用医薬品で、医師の診察を受けて処方してもらう必要があります。眼科・形成外科・美容皮膚科のほか、オンライン診療で処方を受けられる医療機関もあります。
アップニークは薬価基準に収載されていないため、公的医療保険が使えない自由診療です。費用は医療機関ごとに設定されます。国内で承認された医薬品のため、承認された効能・用法で使って重い健康被害が起きた場合は、医薬品副作用被害救済制度の対象になります。
医師の診察を受けずに購入できる海外からの個人輸入品は避けてください。厚生労働省は、個人輸入した医薬品は品質・有効性・安全性が確認されておらず、健康被害が起きても救済制度の対象にならないとしています。
キレイパスオンラインクリニックでの取り扱い
| メニュー | 単月購入 | 定期配送 |
|---|---|---|
| アップニーク | 6,320円 | 5,430円/月 |
2026年10月時点の価格です。送料550円が別途かかります。自由診療のため公的医療保険は適用されません。診察料は無料です。処方は最大6か月分までとし、6か月の時点で効果を確認します。20歳未満の方には処方していません。
まとめ
- アップニーク(オキシメタゾリン)は、後天性眼瞼下垂の治療薬として2025年12月に国内で承認された点眼薬です。
- アップニークはミュラー筋を収縮させて上まぶたを一時的に引き上げます。米国の資料では点眼後約2時間で効果が最大になり、8時間後まで続きました。
- 用法は1日1回1滴で、点眼をやめると効果はなくなります。6か月を超える使用の有効性と安全性は検討されていません。
- 心血管系の病気、閉塞隅角緑内障、MAO阻害剤・降圧剤・強心配糖体の使用がある人は、使う前に医師に相談が必要です。
- 急にまぶたが下がった場合や、物が二重に見える場合は、点眼より先に医療機関を受診してください。