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イソトレチノインの効果と副作用|好転反応・検査・避妊期間

カプセルの内服薬と水の入ったグラス

イソトレチノインは、皮脂腺を小さくして皮脂の分泌を抑える重症ニキビの内服薬です。1コースは15〜24週が目安で、唇や皮膚の乾燥が非常に多く、服用前後の避妊と定期的な血液検査が必要です。

イソトレチノイン(13-cis-レチノイン酸)とは、ビタミンAに関連する化合物で、ニキビの原因となる皮脂の分泌を抑える内服薬です。

イソトレチノインは米国で1982年に承認されていますが、日本では承認されていません。国内では、医師が個人輸入した製剤を自由診療で処方します。本記事では、米国食品医薬品局(FDA)と英国の添付文書、米国皮膚科学会のガイドライン、論文をもとに、効果と副作用を整理します。各情報は2026年9月時点のものです。

📖 抗生物質・ビタミン剤・漢方薬など、ほかのニキビの内服薬との使い分けは大人ニキビの内服薬で整理しています。

イソトレチノインはどんなニキビに使われる?

イソトレチノインが使われるのは、抗菌薬を含む標準的な治療で改善しない重症のニキビです。米国と英国の添付文書、米国皮膚科学会のガイドラインは、対象を次のように定めています。

イソトレチノインの対象(各国の添付文書・ガイドライン)
出典対象
米国の添付文書(FDA)全身性の抗菌薬を含む従来の治療に反応しない、直径5mm以上の炎症性結節が多発する重症の結節性ニキビ(12歳以上)
英国の添付文書全身性の抗菌薬と外用療法で十分に治療しても改善しない重症のニキビ(結節性・集簇性、または瘢痕が残るおそれのあるもの)
米国皮膚科学会ガイドライン(2024年)重症、または心理社会的な負担や瘢痕を伴う、あるいは標準的な内服・外用療法で改善しないニキビに強く推奨
日本皮膚科学会ガイドライン(2023年)国内未承認薬のため推奨の対象としていない

日本皮膚科学会の尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023は、国内未承認薬について、現時点での推奨は困難として採用していません。日本の保険診療では、アダパレンや過酸化ベンゾイルの外用薬、抗菌薬の内服・外用が標準的な治療です。

軽いニキビや、標準的な治療を試していない段階では、イソトレチノインは一般的な選択肢ではありません。まず皮膚科の保険診療で標準的な治療を受け、改善しない場合に検討する位置づけです。

イソトレチノインはどう効く?

イソトレチノインは、皮脂腺そのものを小さくして、皮脂の分泌を抑えることでニキビを改善させます。米国の添付文書は、作用の正確な仕組みは解明されていないとしたうえで、皮脂腺の働きと角化を抑える作用を挙げています。

皮脂はニキビの原因菌(アクネ菌)の栄養源で、毛穴が詰まる角化とあわせてニキビができるきっかけになります。抗菌薬が菌と炎症に作用するのに対し、イソトレチノインは皮脂腺に作用する点が異なります。

皮脂の減少は一時的なもので、服用をやめると皮脂の分泌はある程度戻ります。一方で、皮脂腺が小さくなった状態が続くことで、服用終了後も改善が続く人がいます。

効果はいつから出る?どのくらい続けて飲む?

イソトレチノインの1コースは、米国の添付文書で15〜20週、英国の添付文書で16〜24週が目安です。服用を終えたあとも改善が続くことがあるため、2コース目を検討する場合は少なくとも8週間あけます。

標準用量は体重1kgあたり1日0.5〜1mgです。服用方法は製剤によって異なり、英国の製剤は食事とともに1日1〜2回、米国の製剤は食事の有無を問わず1日2回に分けて服用します。英国の添付文書は、再発のしにくさは1日量や期間よりも総投与量と関係が深く、累積で体重1kgあたり120〜150mgを超えても大きな上乗せの効果は期待できないとしています。

米国の添付文書が示す臨床試験では、20週の時点で結節の数が90%以上減った人の割合は70〜75%でした。効果の出方には個人差があり、全員に同じ結果が得られるわけではありません。

低用量で飲む方法もある?

中等症のニキビでは、1日20mg前後などの低用量で長めに服用する方法も研究されています。中等症の638人を対象に20mgを6か月服用した研究(2006年)では、4年間の追跡で再発は3.9〜5.9%でした。

低用量の研究は中等症が対象で、比較対照のない試験が中心です。重症のニキビにそのまま当てはめることはできず、用量は医師が体重と症状から判断します。

やめたら再発する?累積投与量との関係は?

イソトレチノインを終えたあとに再発することはあり、再発のしやすさは累積投与量と関係があります。米国の約2万人の保険データを分析した研究(JAMA Dermatology 2025)の結果は次のとおりです。

累積投与量(体重1kgあたり)再発2コース目の処方
120mg未満26.1%12.7%
120〜220mg19.8%5.0%
220mg超22.2%5.5%
全体22.5%8.2%

同研究では、累積投与量が120mg以上であれば、1日量の多さは再発と関連しませんでした。1993年の英国の研究でも、再発の96%は中止後3年以内に起きており、累積120mg未満で再発が多いと報告されています。

途中で服用をやめると累積投与量が不足し、再発しやすくなります。副作用がつらい場合は自己判断でやめず、減量を含めて処方医に相談してください。

好転反応(一時的な悪化)はいつまで続く?

好転反応は医学用語ではなく、服用初期にニキビが一時的に悪化する現象を指す呼び方です。英国の添付文書は、服用初期の急な悪化は継続により通常7〜10日以内に治まり、多くは用量の調整が不要としています。

悪化の頻度は研究によって異なります。

  • 英国の添付文書: ニキビの悪化は「非常にまれ(0.01%未満)」に分類
  • 244人を調べた研究(Eur J Dermatol 2008): 何らかの悪化が32%、うち軽度18%、中等度10%、重度4.5%。重度になりやすいのは男性、重症のニキビ、体幹に結節がある場合

2つの数値の差は、悪化の定義や対象者の違いによるものです。軽い悪化まで数える研究では32%と報告されていますが、頻度は研究の条件によって大きく変わります。

発熱・関節痛・潰瘍を伴う急な悪化は、劇症型のニキビの可能性があり、好転反応として様子をみてよい状態ではありません。強い悪化が続く場合や全身の症状を伴う場合は、速やかに処方医を受診してください。

イソトレチノインの副作用と頻度は?

イソトレチノインの副作用で最も多いのは、唇・皮膚・目・鼻の乾燥です。英国の添付文書の頻度区分と、米国の添付文書の数値をまとめると次のとおりです。

イソトレチノインの主な副作用(英国の添付文書の頻度区分と米国の添付文書の数値)
頻度副作用
10%以上唇の荒れ(口唇炎)、皮膚の乾燥、かゆみ、目の乾燥・結膜炎、関節痛・筋肉痛・背部痛、肝機能の数値の上昇、中性脂肪の上昇・HDLコレステロールの低下
1〜10%頭痛、鼻血・鼻の乾燥、コレステロールの上昇、血糖の上昇
0.01〜0.1%脱毛、気分の変化・不安
0.01%未満頭蓋内圧亢進、夜間の視力低下、炎症性腸疾患、膵炎、聴覚障害
頻度不明うつ、自殺念慮、性機能障害、重い皮膚障害

米国の添付文書は、中性脂肪の著しい上昇が25%、肝酵素の軽度〜中等度の上昇が約15%にみられるとしています。数値の異常は服用をやめると元に戻ることが多いとされています。

唇や皮膚の乾燥は、用量が多いほど強く出ます。保湿剤とリップクリームをこまめに使い、日焼け止めで紫外線を防ぎます。目の乾燥が強い場合は、コンタクトレンズの使用を控えることがあります。

米国の添付文書は、夜間の視力低下が突然起こることがあり、中止後も続いた例があるとして、夜間の運転に注意するよう求めています。強い頭痛、吐き気や嘔吐、見え方の異常が出た場合は、頭蓋内圧亢進の可能性があります。自己判断で様子を見ず、直ちに服用を中止して処方医に連絡するか、救急の相談窓口に連絡してください。

うつや自殺念慮との関係は?

米国の添付文書は、うつ・精神症状・自殺念慮が起こる可能性があるとして警告しています。一方、大規模な研究をまとめた解析では、イソトレチノインが精神症状のリスクを明らかに高めるという結果は出ていません。

25件の研究・約160万人をまとめた解析(JAMA Dermatology 2024)では、服用中の1年間の絶対リスクは、うつ3.83%、自殺念慮0.47%、自殺0.07%でした。精神疾患全体の相対リスクは1.08で、統計学的な有意差はありませんでした。

規制当局の警告と研究結果の両方をふまえ、服用前に精神疾患の既往を医師に伝え、服用中に気分の落ち込みがあれば、すぐに服用を中止して受診します。家族など身近な人に服用していることを伝えておくと、気分の変化に気づいてもらいやすくなります。

避妊が必要な期間は?献血はできる?

イソトレチノインは、妊娠中に服用すると胎児に重い先天異常を起こすリスクが極めて高い薬です。米国の添付文書は、量や期間を問わずリスクがあり、胎児が影響を受けたかを出生前に正確に判定する方法はないとしています。

避妊・妊娠検査・献血の決まり(米国・英国の添付文書)
項目米国(FDA・リスク管理プログラム)英国
避妊の期間服用開始の1か月以上前から服用終了後1か月まで服用開始の1か月前から服用終了後1か月まで
避妊の方法2種類を同時に使用(うち1つは確実性の高い方法)確実性の高い方法1つ、または補い合う方法2つ
妊娠検査開始前に2回、毎回の処方前、終了時、終了1か月後開始前、服用中は毎月が理想、終了1か月後
献血服用中と服用終了後1か月は不可服用中と服用終了後1か月は不可

黄体ホルモンのみを含むミニピルは、米国の添付文書で避妊法として不十分とされています。授乳中の人も服用できません。

男性の服用者について、米国の添付文書に避妊を求める記載はありません。男女とも、薬を他人に渡さないことが求められています。

服用中に妊娠の可能性がある場合は、すぐに服用を中止し、処方医に連絡してください。

服用中に必要な検査は?

イソトレチノインの服用中は、血液検査で肝機能と中性脂肪などの脂質を確認します。推奨される検査の頻度は、出典によって異なります。

出典検査の頻度
米国の添付文書服用前に空腹時の脂質と肝機能。以後は反応が分かるまで定期的に(脂質の反応は通常4週以内に判明)
英国の添付文書肝酵素と脂質を服用前、開始1か月後、以後3か月ごと
専門家の合意(JAMA Dermatology 2022)ALTと中性脂肪を開始前1か月以内と最大用量に達した時点で。毎月の検査は不要

1,863人を調べた研究(2020年)では、重い異常値は中性脂肪で1%未満、肝機能で0.5%未満でした。米国の添付文書は、採血前の36時間は飲酒を避けるよう求めています。

一緒に使えない薬・避けたい施術は?

イソトレチノインは、一部の薬やサプリメント、美容施術との組み合わせに注意が必要です。

  • テトラサイクリン系抗菌薬(ミノサイクリン、ドキシサイクリンなど): 頭蓋内圧亢進のおそれがあり、併用を避ける
  • ビタミンAのサプリメント: ビタミンAの過剰につながるため、併用を避ける
  • 角質を取り除く外用薬・ピーリング剤: 皮膚への刺激が強くなるため、併用を避ける
  • ワックス脱毛・皮膚を削る治療・レーザー治療: 米国の添付文書は服用中と服用終了後少なくとも6か月は避けるよう求めている

施術との間隔について、2017年の専門家の合意声明(JAMA Dermatology)は、レーザー脱毛・浅いケミカルピーリング・フラクショナルレーザーを遅らせる根拠は不十分とし、機械的に皮膚を削る治療と皮膚全体を削るレーザーは避けるべきとしています。添付文書と合意声明で見解が分かれているため、施術を受ける医療機関に服用中であることを伝えて判断してもらいます。

飲酒を禁止する記載は、米国・英国の添付文書にありません。多量の飲酒は中性脂肪を上げる要因になるため、飲酒量は医師に伝えてください。

個人輸入や通販で購入してもよい?

イソトレチノインを、医師の診察を受けずに個人輸入や海外通販で購入することは避けてください。厚生労働省の通知(令和7年2月)は、イソトレチノインを、医師の適切な指導のもとで使用しなければ健康被害のおそれがある未承認医薬品に挙げています。個人が輸入する場合は、数量にかかわらず厚生労働省の確認が必要です。

厚生労働省は、個人輸入の医薬品は品質・有効性・安全性が確認されておらず、偽造品のおそれがあるとしています。個人輸入した医薬品による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の対象になりません。

イソトレチノインは、妊娠の確認・避妊・血液検査・精神症状の確認を組み合わせて安全に使う薬です。医師の診察と経過観察のもとで服用することが前提です。

キレイパスオンラインクリニックでの取り扱い

メニュー内容料金(税込)
イソトレチノイン20mg30錠(1か月分)定期配送 9,250円/単発購入 10,720円

料金は2026年9月時点で、送料550円が別途かかります。取り扱いは20mg製剤です。1日量と治療期間は、体重・重症度・副作用・検査値をもとに医師が判断します。1日20mgの低用量で行う場合は、標準的な1日量(体重1kgあたり0.5〜1mg)と比べて累積投与量と治療期間が異なるため、再発の可能性を含めて診察時に説明します。

イソトレチノインは、医薬品医療機器等法上、国内で承認されていない未承認医薬品です。医師が診療上必要と判断した場合に、医師の責任で個人輸入した製剤を自由診療で処方しています。個人輸入の医薬品に関する注意は、厚生労働省の個人輸入において注意すべき医薬品等についてを確認してください。

同一成分の国内承認医薬品はありません。米国では1982年、英国では1983年に承認された薬で、米国の添付文書では催奇形性、精神症状、脂質や肝機能の異常、頭蓋内圧亢進などが警告されています。国内未承認医薬品のため、健康被害が生じても医薬品副作用被害救済制度の対象外です。妊娠中・妊娠の可能性がある人・授乳中の人は服用できません。公的医療保険は適用されません。診察の結果、処方を見送る場合があります。診療の流れは美肌・スキンケア診療メニューを参照してください。

まとめ

  • イソトレチノインは皮脂腺に作用する重症ニキビの内服薬で、日本では未承認
  • 1コースは15〜24週が目安。累積投与量が体重1kgあたり120mg未満だと再発しやすい
  • 服用初期の一時的な悪化は、英国の添付文書で通常7〜10日以内に治まるとされる
  • 唇や皮膚の乾燥は非常に多く、中性脂肪・肝機能の上昇があるため血液検査を行う
  • 服用開始の1か月前から服用終了後1か月までの避妊が必要で、同じ期間は献血できない

イソトレチノインの効果と副作用の出方には個人差があります。服用を検討する場合は、まず皮膚科で標準的な治療を受けたうえで、妊娠の予定・持病・服用中の薬を医師に伝えて相談してください。

よくある質問

イソトレチノインの効果はいつから出ますか?
米国の添付文書は1コースを15〜20週、英国の添付文書は16〜24週で通常は寛解に至るとしています。服用を始めて最初の数週間は、一時的にニキビが悪化することがあります。服用を終えたあとも改善が続くことがあるため、2コース目を検討する場合は、少なくとも8週間あけて効果を評価します。
イソトレチノインの好転反応はいつまで続きますか?
好転反応は医学用語ではなく、服用初期の一時的なニキビの悪化を指す呼び方です。英国の添付文書は、服用初期の急な悪化は継続により通常7〜10日以内に治まるとしています。244人を調べた研究では、何らかの悪化が32%にみられ、重度は4.5%でした。発熱や関節痛を伴う強い悪化は、速やかに受診してください。
イソトレチノインをやめたら再発しますか?
再発することがあります。米国の約2万人の保険データを分析した研究(2025年)では、再発は22.5%、2コース目の処方は8.2%でした。累積投与量が体重1kgあたり120mg未満の群では再発が26.1%と高く、120mg以上の群では19.8〜22.2%でした。
イソトレチノインを飲んでいる間、お酒は飲めますか?
米国・英国の添付文書に、飲酒を禁止する記載はありません。ただし米国の添付文書は、多量の飲酒は中性脂肪が上がりやすい要因になるとしており、血液検査の前36時間は飲酒を避けるよう求めています。飲酒量は処方を受けた医師に伝えてください。
イソトレチノインの服用中に脱毛やレーザー治療を受けられますか?
米国の添付文書は、ワックス脱毛・皮膚の削る治療・レーザー治療を、服用中と服用終了後少なくとも6か月は避けるよう求めています。2017年に発表された専門家の合意声明は、レーザー脱毛や浅いケミカルピーリングを遅らせる根拠は不十分としています。施術の予定がある場合は、処方医と施術を行う医療機関の両方に伝えてください。
男性がイソトレチノインを飲む場合も避妊は必要ですか?
米国の添付文書に、男性の服用者に避妊を求める記載はありません。米国のリスク管理プログラムの資料は、精液中に移行する量は経口40mgの約100万分の1としています。ただし、薬を他人、特に妊娠の可能性がある女性に渡してはいけません。
イソトレチノインは保険で処方してもらえますか?
イソトレチノインは日本で承認されていないため、保険診療では処方されません。医師が個人輸入した製剤を、自由診療として処方します。日本の保険診療では、アダパレン・過酸化ベンゾイルの外用薬や、抗菌薬の内服・外用がニキビの標準的な治療です。

参考文献・出典

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  13. 数量にかかわらず厚生労働省の確認を必要とする医薬品の改正について(令和7年2月10日 医薬監麻発0210第5号)(厚生労働省)
  14. 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ(厚生労働省)
  15. 医療広告ガイドライン(令和8年3月30日最終改正)(厚生労働省)
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