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防風通聖散の効果と副作用|18種の生薬と作用機序

防風通聖散の効果と副作用を解説する記事イメージ

防風通聖散は、18種の生薬が代謝・便通・水分代謝に複合的に働きかけ、体重管理を補助する漢方薬で、お腹周りに皮下脂肪が多く便秘がちな実証タイプの方に適しています。 PMDAの添付文書では「腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなもの」に対する効能効果が承認されています。

本記事では、防風通聖散の生薬構成・作用機序・満量処方と市販品の違い・副作用を、添付文書と日本東洋医学会の情報に基づいて解説します。

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防風通聖散とは?

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)は、中国・金代の医学書『宣明論(黄帝素問宣明論方)』を出典とする漢方薬です。日本では医療用漢方製剤(ツムラ62番など)として厚生労働省に承認されており、肥満症に対する効能効果が認められています。

承認されている効能効果は「体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症、湿疹・皮膚炎、ふきでもの、肥満症」です。

防風通聖散を構成する18種の生薬

防風通聖散は漢方薬のなかでも生薬数が多い処方で、18種の生薬がそれぞれ異なる役割を担います。

生薬名主な役割
防風(ボウフウ)発汗・解表(体表の邪気を発散)
荊芥(ケイガイ)発汗・解表
麻黄(マオウ)発汗・代謝亢進(エフェドリン含有)
薄荷(ハッカ)清熱・解表
連翹(レンギョウ)清熱・解毒
大黄(ダイオウ)瀉下(便通改善)
芒硝(ボウショウ)瀉下・軟便化
甘草(カンゾウ)諸薬の調和・抗炎症
桔梗(キキョウ)排膿・去痰
石膏(セッコウ)清熱(体内の熱を冷ます)
黄芩(オウゴン)清熱・抗炎症
山梔子(サンシシ)清熱・利尿
滑石(カッセキ)利尿・清熱
白朮(ビャクジュツ)利水・健脾(消化機能強化)
当帰(トウキ)補血・血行改善
芍薬(シャクヤク)鎮痛・筋弛緩
川芎(センキュウ)血行改善
生姜(ショウキョウ)健胃・発汗補助

防風通聖散の脂肪燃焼・便通改善の作用機序

防風通聖散が肥満に対して効果を発揮するメカニズムは、主に3つの経路に分けられます。

1. 代謝亢進による脂肪燃焼

麻黄に含まれるエフェドリン類は交感神経を刺激し、基礎代謝を亢進させます。防風・荊芥による発汗作用も加わり、エネルギー消費量の増加に寄与します。

2. 便通改善による老廃物排出

大黄(アントラキノン系瀉下成分)と芒硝(塩類下剤作用)が腸管のぜん動運動を促し、便通を改善します。便秘解消による体重減少は水分・便の排出によるもので、脂肪そのものの減少とは区別する必要があります。

3. 利尿・利水による水分代謝改善

滑石・白朮・山梔子の利水作用により、体内の余分な水分を尿として排出します。むくみの改善に寄与しますが、脱水には注意が必要です。

満量処方と1/2処方・2/3処方の違い

漢方薬の「満量処方」とは、原典に記載された1日あたりの生薬配合量をそのまま使用した処方です。市販の漢方薬(OTC)には、満量処方のほかに生薬量を減らした1/2処方や2/3処方の製品があります。

項目満量処方2/3処方1/2処方
1日あたりの生薬量原典どおり(1倍量)原典の約67%原典の約50%
入手方法医師の処方・一部OTCOTCOTC
効果の感じやすさ生薬量が多いぶん効果を感じやすい傾向中程度穏やか
副作用リスク生薬量が多いぶんリスクも高まる傾向中程度比較的穏やか

キレイパスオンラインクリニックでは、医師の診察のうえで満量処方の防風通聖散を処方しています。処方内容の違いにより、市販品では体感しづらかった方でも医療用の満量処方が検討されることがあります。

防風通聖散の副作用

一般的な副作用

  • 消化器症状: 下痢・軟便・腹痛・腹部膨満感・食欲不振
  • 皮膚症状: 発疹・かゆみ
  • その他: 動悸・不眠(麻黄のエフェドリンによる)

便通改善作用のある大黄を含むため、下痢・軟便は比較的多い副作用です。

重大な副作用(まれ)

防風通聖散で報告されている重大な副作用は以下の通りです。頻度はまれですが、発症した場合は重篤な経過をたどることがあります。

  • 間質性肺炎: 息切れ・空咳・発熱が初期症状。服用開始後数週間〜数か月で発症することがある
  • 偽アルドステロン症: 甘草に含まれるグリチルリチン酸による低カリウム血症・むくみ・血圧上昇・筋力低下
  • 肝機能障害・黄疸: 倦怠感・食欲不振・皮膚や白目の黄染
  • 腸間膜静脈硬化症: 長期服用(多くは5年以上)で報告。腹痛・下痢・便秘・腹部膨満が持続する場合は注意

息切れ・空咳・発熱・黄疸・著しい倦怠感・むくみなどの症状が出た場合は、直ちに服用を中止し医療機関を受診してください。

服用できない方・注意が必要な方

  • 体力が虚弱な方(虚証)
  • 胃腸が弱く下痢しやすい方
  • 発汗の多い方
  • 妊娠中・授乳中の方
  • 甘草・麻黄・大黄を含む他の漢方薬を服用中の方
  • エフェドリン含有製剤(風邪薬・鎮咳薬など)を服用中の方

副作用の程度には個人差があります。すべての方に同じ症状が出るわけではなく、また同じ効果が出ることを保証するものでもありません。

キレイパスで防風通聖散を処方してもらう流れ

キレイパスオンラインクリニック(GMOビューティー株式会社運営)では、満量処方の防風通聖散をオンライン診療で処方しています。

  1. LINEから診療予約(診察料0円・土日祝も受付)
  2. 医師とビデオ通話で問診(体質・便通・既往歴・併用薬を確認)
  3. 実証タイプに適応ありと判断された場合に処方
  4. 最短翌日に自宅へ配送
プラン料金(税込)
定期便月4,280円(送料550円別)
都度購入5,000円(送料550円別)

自由診療のため保険は適用されません。

防風通聖散の商品ページ

漢方ダイエットの始め方

まとめ

  • 防風通聖散は18種の生薬が代謝・便通・水分代謝に複合的に働きかけ、体重管理を補助する漢方薬
  • お腹周りに皮下脂肪が多く便秘がちな実証タイプに適する
  • 満量処方は原典どおりの生薬配合量で、市販の1/2処方・2/3処方より1日あたりの生薬量が多い
  • 間質性肺炎・肝機能障害・偽アルドステロン症などの重大副作用がまれに報告されている
  • 虚弱体質の方には適さず、体質の見極めは医師の診察で行うことが重要

よくある質問

防風通聖散はどのくらいで効果が出ますか?
個人差がありますが、便通改善は数日〜1週間で変化を感じる方が多く、体重への影響は2〜3か月の継続服用で評価するのが一般的です。1か月服用して変化がない場合は体質に合っていない可能性があるため、医師に相談してください。
防風通聖散の満量処方と市販品の違いは何ですか?
満量処方は原典『宣明論』に記載された生薬配合量どおりの処方で、市販品には1日あたりの生薬量が満量の1/2や2/3に減らされたものがあります。医師の処方では満量処方を体質に合わせて選択できます。
防風通聖散は虚弱体質の人が飲んでも大丈夫ですか?
防風通聖散は体力が充実した実証タイプ向けの処方です。虚弱体質(虚証)の方が服用すると、下痢・腹痛・食欲不振などの副作用が出やすくなります。虚証の方には防已黄耆湯など別の処方が適しています。
防風通聖散の重大な副作用にはどんなものがありますか?
まれですが間質性肺炎(息切れ・空咳・発熱)、肝機能障害(黄疸・倦怠感)、偽アルドステロン症(低カリウム血症・むくみ・血圧上昇)、腸間膜静脈硬化症が報告されています。異常を感じたら服用を中止し速やかに受診してください。
防風通聖散と他の漢方薬は併用できますか?
甘草や麻黄、大黄を含む他の漢方薬との併用は副作用リスクが高まるため注意が必要です。特にエフェドリン含有製剤(風邪薬など)との併用は動悸・血圧上昇のリスクがあります。併用薬がある場合は必ず医師に伝えてください。

この記事の監修者

佐藤 花子 顔写真

佐藤 花子

医師・糖尿病内科専門医

糖尿病内科専門医として、GLP-1受容体作動薬・SGLT2阻害薬を用いた肥満症・糖尿病治療に20年以上従事。医療コラムの監修を通じて、オンライン診療における安全な自由診療の普及に協力している。

※本プロフィールは監修医師ブロックのレイアウト確認用ダミーデータです。実在の医師・クリニックを示すものではありません。

参考文献・出典

  1. 防風通聖散エキス 添付文書(医療用医薬品情報)(医薬品医療機器総合機構(PMDA))
  2. 一般用漢方製剤の添付文書等に記載する使用上の注意の記載要領(厚生労働省)
  3. 日本東洋医学会 EBM委員会 漢方治療エビデンスレポート(日本東洋医学会)
  4. 厚生労働省 医療広告ガイドライン(厚生労働省)
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