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オンライン診療と対面診療の使い分け|判断基準を医師解説

オンライン診療と対面診療の使い分けを比較するイメージ

オンライン診療は慢性疾患の継続管理・自由診療の内服処方に強く、対面診療は急性症状・身体検査・救急対応に強いという棲み分けが基本です。 症状の性質と医師の判断により、両者は排他的ではなく補完的に使い分けます。

本記事では、厚生労働省『オンライン診療について』の公開情報をもとに、両診療形態の使い分けの判断基準を整理します。

📖 オンライン診療そのものの流れ・必要なものは オンライン診療は初めてでも大丈夫? にまとめています。本記事は「対面診療との使い分け」に特化しています。

オンライン診療と対面診療の違い(概要)

オンライン診療と対面診療は、医師が行う医療行為としては同等の位置づけですが、実施できる診察プロセスに差 があります。

項目オンライン診療対面診療
問診○(ビデオ通話)
視診△(画面越しで可能な範囲)
聴診
触診
血液検査・尿検査✕(別途検査会社利用時を除く)
画像検査(X線・エコー等)
処方薬の自宅配送✕(原則対面受取)
救急対応
通院の負担なしあり

厚生労働省の指針では、オンライン診療は 「医師が対面診療を必要と判断した場合は対面に切り替える」 運用が求められています。つまり、オンラインで完結する症状か、対面評価が必要な症状かは医師が判断します。

オンライン診療に向いているケース

以下のような症状・シチュエーションは、問診と視診で診療計画が立てられる範囲のため、オンライン診療が適しています。

① 慢性疾患の継続管理(再診)

  • 生活習慣病の経過観察(高血圧・糖尿病の既に治療継続中の方)
  • 花粉症など季節性アレルギーの毎年のフォロー
  • 便秘薬・湿疹用外用薬など、定期的な処方継続

対面診療で初診・経過観察を終えた後の継続管理フェーズは、オンライン診療との相性が良い領域です。

② 問診と視診で診療計画が立てられる初診

  • 花粉症・アレルギー性鼻炎
  • ニキビ・湿疹など画面越しで観察可能な皮膚症状
  • 不眠・軽度のストレス関連症状

症状の性質が明確で、聴診・触診・血液検査を伴わずに初期の処方判断ができる領域です。

③ 自由診療の内服・外用・点眼薬の処方

  • 医療ダイエット(GLP-1受容体作動薬・SGLT2阻害薬)
  • 美肌内服(トラネキサム酸・L-システイン・ビタミンC)
  • ドクターズコスメ外用(ゼオスキン・トレチノイン・ハイドロキノン等)
  • まつ毛美容液(ビマトプロスト)
  • 老眼点眼薬(サンピロ)
  • 漢方薬

医療ダイエット・美肌内服・ドクターズコスメ等はキレイパスオンラインクリニックの主要領域です。自由診療のため保険適用外ですが、問診と視診で処方判断が可能な領域のため、オンライン診療と親和性が高い設計です。

④ 通院が困難な環境での診療

  • 地理的条件(離島・山間部・病院から遠い地域)
  • 生活パターン(育児中・介護中・長時間労働)
  • 身体的条件(軽度のリウマチなど通院負担の大きい状態)

通院による身体的・時間的負担が大きい方にとって、オンライン診療は受診のハードルを下げる選択肢になります。

対面診療に切り替えるべきケース

一方、以下のような症状・シチュエーションは、身体検査・対面評価が必須 のため対面診療が適します。オンライン診療を開始してから医師が切り替え判断をすることもあります。

① 急性症状・強い痛みを伴う症状

  • 激しい腹痛・胸痛・頭痛
  • 高熱を伴う症状(肺炎・腎盂腎炎・虫垂炎疑いなど)
  • 外傷・打撲・骨折の疑い
  • 意識障害・けいれん

急性症状は問診だけで診断するのが困難で、聴診・触診・血液検査・画像検査が必要になるため、対面診療が原則です。

② 身体検査が診断の鍵となる症状

  • 心雑音・呼吸音の聴診が必要な症状
  • 腹部の圧痛・反跳痛の確認が必要な症状
  • リンパ節の触診が必要な症状
  • 神経学的検査(反射・筋力・感覚)が必要な症状

③ 採血・尿検査・画像検査が必要な症状

  • 肝機能・腎機能などの定期モニタリングが必要な薬剤使用時
  • 内分泌疾患(甲状腺機能低下症等)の診断・フォロー
  • がん検診・健診

④ 救急対応が必要なケース

  • 呼吸困難・胸部圧迫感
  • 強い動悸・失神
  • 重度の出血
  • 重症外傷

救急搬送や即時の医療介入が必要な状態は、救急外来や119番通報が適切です。

⑤ 薬物依存・精神科疾患の専門評価

  • 医療用麻薬・向精神薬の管理
  • 精神科的な対面評価が必要な状態
  • 依存症の治療

薬物依存・精神科疾患の専門評価は、対面での詳細な問診・精神状態評価・同伴者からの情報収集などが必要で、オンライン診療では適切な診療が困難な領域です。

制度上の違い(厚労省指針)

厚労省『オンライン診療の適切な実施に関する指針』 は以下を示しています。

観点指針の内容
基本原則オンライン診療は対面診療の補完として位置づけられる
初診利用2022年4月以降、原則として初診からも利用可能
切り替え医師が対面診察を必要と判断した場合は対面に切り替える
処方制限医療用麻薬・向精神薬の一部は処方不可または制限あり
本人確認顔写真付き身分証による本人確認が必須

指針は 「オンライン診療と対面診療を排他ではなく補完として使う」 思想に立脚しています。医師がどちらで診療するかを柔軟に判断できる運用です。

使い分けの判断フロー

患者側で「オンライン診療か対面診療か」を迷った際の判断フローです。

  1. 症状は急性か慢性か
    • 急性(突発的・強い痛み・高熱等) → 対面診療・救急外来
    • 慢性・定期管理 → オンライン診療を検討
  2. 身体検査(聴診・触診・採血)が必要か
    • 必要 → 対面診療
    • 不要(問診と視診で対応可能) → オンライン診療を検討
  3. 処方希望の薬剤はオンライン処方可能か
    • 医療用麻薬・向精神薬の一部 → 対面診療
    • 慢性疾患薬・自由診療の内服薬等 → オンライン診療可能
  4. 救急対応が必要か
    • 必要 → 119番・救急外来
    • 不要 → オンライン診療を検討

判断に迷う場合は、オンライン診療の問診フォームで症状を記入し、医師に判断を委ねる運用もできます。

キレイパスが対応できる領域・できない領域

キレイパスオンラインクリニックは自由診療の内服・外用・点眼薬の処方を中心に運用しています。対応可否の概要は以下の通りです。

対応できる領域(オンライン診療で完結)

  • 医療ダイエット(自由診療)
  • 美肌内服(自由診療)
  • ドクターズコスメ外用(自由診療)
  • まつ毛美容液(自由診療)
  • 老眼点眼薬(自由診療)
  • 漢方薬(自由診療)

対応できない領域(他院への受診を案内)

  • 急性症状・救急対応
  • 聴診・触診・採血が必要な症状
  • 医療用麻薬・向精神薬の処方
  • 保険診療が必要な慢性疾患の管理(キレイパスは自由診療特化)
  • 手術・処置などの身体介入
  • 妊婦健診・子どもの小児科診療

自由診療の範囲で対応できる内服・外用薬の処方に集中し、対面診療が必要と医師が判断した症状については、提携外の対面医療機関への受診を誠実に案内する運用です。

オンライン診療から対面診療へ切り替わる典型例

オンライン診療を開始した後に、医師の判断で対面診療への切り替えが提案されるケースがあります。

症状の変化切り替え判断の目安
副作用として強い腹痛・嘔吐が続く対面での身体検査が推奨
想定した効果が出ず、他疾患の可能性が疑われる血液検査・画像検査のため対面へ
薬剤の副作用でアレルギー反応が出た対面評価と他剤への切り替え
基礎疾患の悪化が疑われる所見主治医への対面紹介状作成

キレイパスで処方中に対面診療が必要と判断された場合は、LINEまたはビデオ通話で医師が受診案内を行います。

保険診療とオンライン診療の関係

保険診療でオンライン診療を受けるには、医療機関が「情報通信機器を用いた診療」の施設基準を届け出ていること が必要です。届出のない医療機関のオンライン診療は自由診療になります。

キレイパスオンラインクリニックは美容・QOL向上目的の自由診療を中心としているため、扱う薬剤のほとんどは保険適用外の全額自己負担です。保険診療でのオンライン受診を希望する場合は、保険診療届出済みの別医療機関を利用してください。

まとめ

  • オンライン診療と対面診療は補完関係にあり、症状と医師判断で使い分ける
  • オンライン診療に向くのは慢性疾患の継続管理・花粉症・自由診療の内服処方など
  • 対面診療が必要なのは急性症状・身体検査・救急・薬物依存評価など
  • 厚労省指針は「医師が対面診察を必要と判断した場合は対面に切り替える」運用を求める
  • キレイパスは自由診療の内服・外用・点眼薬を中心に運用、対面が必要な場合は他院を案内

症状の性質と生活パターンに合う診療形態を選んでいきましょう。迷う場合は、オンライン診療で医師に相談し、必要に応じて対面診療への案内を受ける運用も選べます。

よくある質問

オンライン診療と対面診療、どちらを選ぶべきですか?
症状の性質で使い分けるのが基本です。慢性疾患の継続管理・花粉症・美容医療の内服などで問診と視診で診断がつく領域はオンライン診療が適しており、急性症状・身体の痛み・救急対応が必要なケースは対面診療が適します。
オンライン診療で身体検査は受けられますか?
聴診・触診・血液検査などの身体検査はオンライン診療では実施できません。これらが必要と医師が判断した場合は、対面診療への切り替えまたは他院への受診案内が行われます。
初診でもオンライン診療は利用できますか?
2022年4月の厚労省指針改訂により、原則として初診でも利用可能です。ただし医師が対面診察を必要と判断した症状の場合は、対面診療に切り替わることがあります。
対面診療中の病気があっても、別の症状でオンライン診療を使えますか?
医療機関によりますが、別の症状(例: 花粉症・美容医療)については別の医療機関のオンライン診療を利用できる場合があります。併用する場合は、服用薬・既往歴を両方の医師に正確に伝えることが重要です。
オンライン診療では処方できない薬もありますか?
医療用麻薬や向精神薬の一部、注射のみで投与される特殊製剤、対面で適応判断が必要な薬剤などは処方できないか制限があります。オンライン診療で処方できる薬の範囲は別記事で詳しく解説しています。
オンライン診療は高齢者でも使えますか?
スマートフォンやPCの操作に慣れていれば利用可能です。ただし複数の基礎疾患があり身体評価が必要な場合は、対面診療が適することが多いです。家族のサポートがあれば高齢者でもオンライン診療を活用できます。

この記事の監修者

古田 泰之 顔写真

古田 泰之

脳神経外科専門医 / PreMed株式会社 代表取締役

東京大学医学部附属病院 脳神経外科、多摩総合医療センター 脳神経外科にて臨床に従事。脳神経外科専門医・脳血管内治療専門医。医療コンサルティング会社 PreMed株式会社 代表取締役を務め、医療法人KAIZEN の運営にも参画している。

【略歴】
2017-2018 脳神経外科医 / 東京大学医学部附属病院
2018-2020 脳神経外科医 / 多摩総合医療センター
2020-現在 PreMed株式会社 代表取締役

参考文献・出典

  1. オンライン診療について(厚生労働省)(厚生労働省)
  2. オンライン診療に関する総合案内(厚生労働省)(厚生労働省)
  3. 医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)(厚生労働省)
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