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トレチノインとハイドロキノンの順番|正しい塗り方を解説

トレチノインとハイドロキノンを塗る順番の夜用ルーティンイメージ

トレチノインとハイドロキノンの併用は、夜に「ハイドロキノン(全体に薄く)→ トレチノイン(シミ部位のみ)」の順で塗るのが基本です。 作用機序が異なるため併用でシミ・肝斑への相乗効果が期待されますが、刺激性のある薬剤のため、保湿・日焼け止めと医師のフォローがセットで必要です。

本記事では、PMDAの医薬品情報と日本皮膚科学会の公開ガイドラインをもとに、トレチノインとハイドロキノンの塗る順番と実践的な組み合わせ方を整理します。

📖 シミ・肝斑治療の内服・外用・施術を含めた全体像は シミ・肝斑の原因と治療 にまとめています。本記事は「外用薬の使い方」に特化した内容です。

なぜトレチノインとハイドロキノンは併用されるのか

2剤は 作用機序が異なるため、組み合わせることで色素沈着への相補的な効果 が期待できます。

薬剤主な作用役割
ハイドロキノンチロシナーゼ阻害によるメラニン生成抑制新しいシミの生成を抑える
トレチノインビタミンA誘導体としてターンオーバー促進既存のメラニンを含む角質を早く排出する

ハイドロキノンで「メラニンを作らせない」、トレチノインで「すでにあるメラニンを早く押し出す」という 入口と出口の両方に働きかける 組み合わせです。単剤使用よりも併用の方が、色素沈着の改善が早まる傾向が臨床報告されています。

ただし両剤とも刺激性があり、自己判断で濃度を上げたり広範囲に使うと皮膚トラブルを招くことがあるため、医師の指示のもとで使用する薬剤です。

塗る順番の基本ルール

ルール① 塗布量が多い薬剤を先に塗る

併用時は 広範囲に使う薬剤 → 部分使用の薬剤 の順に重ねます。ハイドロキノンは顔全体またはシミを含む広めの範囲に、トレチノインはシミ部位のみピンポイントで塗るため、以下が標準順序です。

ハイドロキノン(広範囲) → トレチノイン(シミ部位)

ルール② 各ステップで5〜10分の馴染ませ時間を取る

1剤目を塗ってすぐに次を重ねると、薬剤同士が混ざり刺激が強まる可能性があります。5〜10分置いて肌に吸収させてから、次の薬剤を塗布します。

ルール③ 夜のみの使用

  • トレチノインは光で分解されやすく、日中の効果が不安定になる
  • ハイドロキノンも光により酸化し、着色する懸念がある

この2点から、両剤とも夜のみの使用が推奨 されます。朝のスキンケアは保湿と日焼け止めに集中します。

夜用ルーティン(ステップ別)

ステップポイント
1洗顔ゴシゴシこすらず、ぬるま湯と低刺激洗顔料で
2化粧水アルコール・エタノール系を避け、水分補給
3ハイドロキノンを塗布シミを含む広めのエリアに薄く。5〜10分馴染ませる
4トレチノインを塗布シミ部位のみ、綿棒で点状に。広範囲に伸ばさない
5保湿クリーム乾燥しやすい頬・口周り中心に
6(翌朝)日焼け止めSPF30以上を毎日欠かさず

開始1〜4週:A反応(赤み・皮むけ)への対応

トレチノインを使い始めると、多くの方で A反応 と呼ばれる一時的な皮膚反応が起こります。

時期反応の目安
1週目軽い赤み・ピリピリ感
2〜3週目皮むけ・乾燥の強まり(A反応のピーク)
3〜4週目徐々に落ち着き、新しい肌への入れ替わり
5週目以降反応が安定してくる

A反応はトレチノインが効いているサインでもありますが、強く出すぎると生活に支障をきたすため、以下の対応を医師と相談しながら行います。

  • 使用頻度を毎日 → 2日に1回・3日に1回に減らす
  • 濃度を0.1% → 0.05% → 0.025%に下げる
  • 保湿を徹底する(ワセリン・セラミド配合クリームなど)
  • 強い痛み・水疱が出たら一時中止し医師へ連絡

ゼオスキンなど医療用スキンケアプログラムでのA反応の扱いは ゼオスキンの赤みはいつまで? でも解説しています。

保湿と日焼け止めは「必須」

トレチノイン・ハイドロキノン使用時に最も重要なのが、保湿と日焼け止め です。この2つがないと、以下のリスクが高まります。

  • 乾燥によるバリア機能低下で、A反応が悪化
  • 紫外線刺激でメラニン生成が促進され、色素沈着がかえって悪化する可能性

保湿のポイント

  • 低刺激・無香料のクリームを選ぶ
  • 乾燥が強いときはワセリンで蓋をする
  • 朝晩必ず塗る

日焼け止めのポイント

  • SPF30以上・PA+++以上を毎日使用
  • 曇りの日・室内でも欠かさない
  • 2〜3時間ごとの塗り直し

日焼け止めの優先度は 薬剤そのものと同じくらい高い と考えてください。

使ってはいけない人・注意が必要な人

以下に該当する方は、自己判断で使用せず医師に相談してください。

区分理由
妊娠中・妊娠の可能性トレチノインは胎児への影響があるため使用不可
授乳中安全性が確立されていないため原則使用不可
アトピー性皮膚炎・敏感肌バリア機能が弱く、A反応が強く出やすい
ピーリング・レーザー直後バリア機能回復まで使用を控える
広範囲のシミ肝斑の可能性があり、レーザーや他治療の適応確認が必要

ハイドロキノンは長期連用で白斑を生じる報告があり、1クール3〜4ヶ月で休薬を挟むのが一般的な運用です。

期間の目安と休薬

フェーズ期間の目安内容
導入期1〜4週低濃度・頻度少なめで開始、A反応の様子を見る
維持期1〜3ヶ月標準濃度で継続。効果を評価
評価期3〜4ヶ月目効果判定、休薬タイミングの検討
休薬期1〜2ヶ月肌の休息期間。保湿と日焼け止めは継続

漫然と使い続けるのではなく、区切りをつけて医師と評価 することが推奨されます。

関連する内服治療との組み合わせ

外用薬単独でも効果は期待されますが、肝斑や広範囲の色素沈着ではトラネキサム酸内服などとの併用が検討されます。内服薬の位置づけは トラネキサム酸の効果シミ・肝斑の原因と治療 を参照してください。

キレイパスオンラインクリニックでの取り扱い

トレチノイン・ハイドロキノン単剤としての処方は提供していません。ドクターズコスメ系の処方として、ハイドロキノン・トレチノイン・レチノールなどを段階的に組み合わせるブランド製品(ゼオスキン)を取り扱っています。詳細はドクターズコスメ診療メニューを参照してください。

公的医療保険は適用されません。診察料・再診料は無料。

まとめ

  • 塗る順番は「ハイドロキノン(全体)→ トレチノイン(シミ部位)」が基本
  • 両剤とも夜のみ使用、日中は日焼け止め必須
  • A反応は2〜4週で落ち着くことが多く、頻度・濃度調整で緩和可能
  • 妊娠・授乳中は使用不可、敏感肌は慎重運用
  • 3〜4ヶ月で1クールとして評価、休薬を挟みながら運用する

外用薬の濃度・組み合わせ・使用頻度は肌質で個別最適化が必要です。自己判断せず、医師と一緒に進めていきましょう。

よくある質問

トレチノインとハイドロキノン、どちらを先に塗りますか?
一般的にはハイドロキノンを全体に塗ってからトレチノインをシミ部位に塗る順番が推奨されます。先に面で塗る薬剤を重ね、後に部分塗布する薬剤を載せる順です。医師の指示がある場合はそちらを優先してください。
塗る間隔はどのくらい空けますか?
1剤目を塗った後、肌に馴染むまで5〜10分ほど置いてから次の薬剤を重ねるのが基本です。連続して塗ると刺激が強まることがあります。
朝と夜、いつ塗ればいいですか?
トレチノインは光で分解されやすいため夜の使用が基本です。ハイドロキノンも光による着色の懸念があり、夜のみの使用が推奨されます。朝は保湿と日焼け止めを重視します。
A反応(赤み・皮むけ)が強いときはどうすればいいですか?
一時的に使用頻度を2日に1回に減らす、濃度を下げる、保湿を強化する、などの対応が選択肢です。強い赤み・痛み・腫れが続く場合は使用を中断し、医師に相談してください。
保湿と日焼け止めは必須ですか?
必須です。トレチノインはバリア機能を一時的に弱め、ハイドロキノンも乾燥しやすい薬剤です。塗布後の保湿と、日中の日焼け止め(SPF30以上推奨)がないと効果が十分に得られず、むしろ色素沈着が悪化する可能性があります。
いつまで続けますか?
一般的には3〜4ヶ月を1クールとして評価します。効果が出た後は休薬期間を入れて経過観察するのが標準的です。継続の可否は医師判断です。

この記事の監修者

橋本 麻未 顔写真

橋本 麻未

医師 / 渋谷amiクリニック 院長

杏林大学医学部を卒業後、杏林大学病院 耳鼻咽喉科にて臨床研修を経て、大手美容外科・KAUNIS CLINIC で美容皮膚科診療に従事。2023年に渋谷amiクリニックを開院し、院長として美容皮膚科診療にあたっている。日本抗加齢医学会専門医として、内服・外用・注入・機器治療を組み合わせ、5年後・10年後を見据えた継続的なスキンケア提案を行っている。

【略歴】
2015年 杏林大学医学部 卒業
2017年 杏林大学病院 耳鼻咽喉科
2020年 大手美容外科
2022年 KAUNIS CLINIC
2023年 渋谷amiクリニック 開院(院長)

【所属学会】
日本美容外科学会/日本美容皮膚科学会/日本抗加齢医学会

【資格】
日本抗加齢医学会専門医/日本医師会認定産業医

参考文献・出典

  1. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)公式サイト(医薬品医療機器総合機構)
  2. 日本皮膚科学会 公式サイト(日本皮膚科学会)
  3. 厚生労働省 医療広告ガイドライン(令和6年3月改正)(厚生労働省)
  4. 厚生労働省 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 第6版(令和8年3月)(厚生労働省)
  5. Hydroquinone 4%, tretinoin 0.05%, fluocinolone acetonide 0.01%: a safe and efficacious 12-month treatment for melasma (Cutis 2005)(PubMed)
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