マンジャロ(チルゼパチド)のダイエット目的の使用に、確立した標準使用期間や投与上限はなく、目標体重への到達度と副作用・費用を見て医師と決めます。3〜4ヶ月は効果不十分時の見直し目安、72週(約17ヶ月)はチルゼパチドの肥満症臨床試験の評価時点で、継続期間を推奨・保証する数字ではありません。中止すると体重が一部戻ることがSURMOUNT-4試験で示されており、やめどきと同時に「やめた後の維持」を計画することが重要です。
マンジャロの使用期間は、効果判定(3〜4ヶ月)・目標到達(数ヶ月〜1年超)・中止後の維持(食事と運動)の3段階で考えます。
本記事では、SURMOUNT-4試験(JAMA 2024)、患者向医薬品ガイド(2026年6月更新)、厚生労働省の最適使用推進ガイドライン(令和8年5月改訂)を一次情報として使います。
記事の構成は、続ける期間の目安、やめたらどうなるか、やめどきの判断基準、やめ方、再開時の用量の順です。
📖 効果が出るまでの時間軸はマンジャロの効果、用量の上げ方はマンジャロの増量スケジュールをご覧ください。
マンジャロは何ヶ月続ける?期間の目安
マンジャロを続ける期間の目安は「効果不十分の見直しが3〜4ヶ月、臨床試験の減量評価が72週(約17ヶ月)」の2つです。ダイエット目的の使用は適応外の自由診療で、添付文書上も使用期間の上限は明記されていません。医師が体重の推移・副作用・本人の目標をもとに継続と中止を判断します。
| 期間 | 位置づけ | 根拠 |
|---|---|---|
| 開始〜4週 | 導入用量2.5mgで体を慣らす期間。減量効果は小さい | 電子添文の用法(2.5mgを4週間投与後に5mgへ増量) |
| 3〜4ヶ月 | 効果判定の目安。改善傾向がなければ治療の見直しを検討 | 患者向医薬品ガイド、ゼップバウンド最適使用推進ガイドライン |
| 20週 | 臨床試験で維持用量(5〜15mg)に達するまでの増量期間 | SURMOUNT-1試験 |
| 72週(約17ヶ月) | 臨床試験の減量評価時点。保険診療のゼップバウンドは投与上限 | SURMOUNT-1試験、最適使用推進ガイドライン |
効果判定の3〜4ヶ月という目安は、患者向医薬品ガイドの「3〜4ヶ月間使用して十分な効果が得られない場合は、他の治療薬へ変更されることがあります」という記載に基づきます。同じ有効成分チルゼパチドの肥満症治療薬ゼップバウンドの最適使用推進ガイドラインも、3〜4ヶ月投与して改善傾向がなければ中止すると定めています。
SURMOUNT-1試験(NEJM 2022, n=2,539, BMI30以上または27以上で合併症のある成人)では、20週の増量期間を含む72週で、5mg群が平均15.0%、10mg群が19.5%、15mg群が20.9%の減量でした。減量の大部分は維持用量に達した後に進むため、2.5mgの1ヶ月だけで効果を判断することは適切ではありません。
保険診療のゼップバウンドには「投与は最大72週間」「十分な減量効果が得られたら72週を待たずに中止と食事・運動のみの管理を考慮する」という規定があります。ゼップバウンドとマンジャロは同一成分ですが、適応・制度が異なり、自由診療のマンジャロに同じ規定は適用されません。「1年半を1つの区切りとし、目標に達したら中止を検討する」という考え方の参考にとどめてください。
マンジャロをやめたらどうなる?中止後の体重変化
マンジャロを中止すると、食欲抑制と満腹感の持続が数週間かけて薄れ、体重が一部戻ることが臨床試験で示されています。チルゼパチドの中止後を直接調べた試験がSURMOUNT-4試験(JAMA 2024, n=670, BMI30以上または27以上で合併症のある成人・糖尿病なし)です。
| 時点 | 継続群(チルゼパチド10〜15mg) | 中止群(プラセボへ切り替え) |
|---|---|---|
| 開始〜36週(全員が投与) | 平均20.9%減量 | |
| 36週〜88週(52週間) | さらに5.5%減量 | 14.0%増加 |
| 開始〜88週の合計 | 25.3%減量 | 9.9%減量 |
| 36週時点の減量の80%以上を維持した割合 | 89.5% | 16.6% |
中止群は52週で体重が平均14.0%戻りましたが、開始時と比べると平均9.9%低い状態を保っていました。減量分がすべて戻るわけではない一方、減量の80%以上を維持できた方は16.6%にとどまります。中止後は「一部は戻る」ことを前提に、維持の計画を立てることが現実的です。
体重が戻る理由は3つあります。第一に、GIP受容体とGLP-1受容体への作用が薄れ、食欲と満腹感が中止前の状態へ戻ること。第二に、胃の排出速度が回復し、同じ食事量でも満腹感が続きにくくなること。第三に、投与中に減った食事量が自然に増えることです。GLP-1受容体作動薬全般の中止後データはGLP-1をやめるとリバウンドする?で解説しています。
やめどきはどう決める?5つの判断基準
マンジャロのやめどきは、「目標到達」「効果不十分」「副作用」「妊娠希望」「費用」の5つの観点で判断します。どの基準に該当する場合も、自己判断ではなく処方医と相談して中止の時期と方法を決めてください。
- 目標体重に到達した到達後すぐではなく、食事・運動の習慣が定着してから段階的に中止を検討する
- 3〜4ヶ月続けても改善傾向がない5mg以上で3〜4ヶ月経過しても体重が動かない場合、増量・他剤への変更・中止を医師が判断する
- 副作用が続く減量しても耐えられない吐き気・便秘・下痢が続く場合。急性膵炎・胆嚢炎の症状は即時中止し受診する
- 妊娠を希望する妊婦には投与できず、中止後1ヶ月間の避妊が必要。妊娠計画の1ヶ月以上前に中止する
- 費用の継続が難しい増量に伴い月額が上がる。無理に続けるより、減量幅を維持する計画へ切り替える
目標到達を理由に中止する場合、食事と運動の習慣が定着してからの中止を検討します。SURMOUNT-4試験では、36週間のチルゼパチド投与後に中止した群で、その後52週間に平均14.0%の体重増加が報告されています。目標体重に達した人だけを対象にした結果ではありませんが、中止後に生活習慣で維持する準備が必要であることを示しています。
効果不十分を理由に中止する前に、用量が5mg以上に上がっているか、打ち忘れがないか、食事の内容が変わっていないかを確認します。原因の見直し方はマンジャロで痩せない原因で解説しています。
続ける期間を決める際は、5mg以降の価格も含めた総額を先に確認してください。キレイパスオンラインクリニックの価格は、2.5mg×4本が初回割8,750円、2回目以降12,500円、5mg×4本が通常22,800円です(税込・診察料・送料込み、2026年9月時点)。ダイエット目的の使用は適応外の自由診療で、吐き気・便秘などの消化器症状のほか、まれに急性膵炎・胆嚢炎が報告されています。
マンジャロのやめ方|段階的な減量と中止直後の注意
マンジャロのやめ方は、副作用・体重推移・血糖管理の必要性によって異なります。電子添文は「患者の状態に応じて適宜増減する」と定めており、実臨床では段階的に用量を下げながら体重と食欲の変化を確認する方法が取られることもあります。ただし、段階的な減量が中止後の体重維持に有効かを示す根拠は限定的で、具体的な間隔・用量は処方医が判断します。
段階的に減らす場合の狙いは2つです。1つは、食欲が戻る過程を緩やかにして、食事量の急増を避けること。もう1つは、減量した用量でも体重を維持できるかを確認し、中止後の見通しを立てることです。低い用量で維持できるかどうかは、中止後の生活習慣の準備状況を判断する材料になります。
中止直後の注意点として、マンジャロは週1回の注射で中止後も作用がしばらく続きます。患者向医薬品ガイドは「投与中止後も作用が持続するので、副作用の発現や血糖値に気をつけてください」と記載しています。最終投与から数週間は、吐き気や食欲の変化が続くことがあります。
副作用や妊娠判明を理由とする即時中止は、段階的な減量を待たずに行います。嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛(急性膵炎の初期症状)、右上腹部痛・発熱・黄疸(胆嚢炎・胆管炎の症状)が出た場合は、使用を中止して速やかに受診してください。副作用の詳細はマンジャロの副作用で解説しています。
やめた後に体重を維持する4つの工夫
マンジャロをやめた後の体重維持は、食事のたんぱく質・運動の継続・体重の記録・早めの受診の4つで支えます。SURMOUNT-4試験は食事・運動の指導を全員に行ったうえでの結果であり、生活習慣の維持は中止後の戻り幅を左右する前提条件です。
| 工夫 | 具体的な内容 | 理由 |
|---|---|---|
| たんぱく質を優先した食事 | 毎食に肉・魚・卵・大豆製品を入れ、野菜と汁物から食べ始める | 食欲が戻ったときの食べ過ぎを防ぎ、筋肉量の減少を抑える |
| 運動の継続 | 週150分以上の中強度の運動(早歩きなど)と週2回の筋力トレーニング | 臨床試験の運動指導の基準。基礎代謝の低下を防ぐ |
| 体重の記録 | 毎朝同じ条件で測り、増加傾向が続く場合は早めに食事内容を見直し、処方医に相談する | 戻り始めを早く察知し、小さな調整で済ませる |
| 早めの受診 | 中止後に食欲の制御が難しくなった場合は、我慢せず処方医に相談する | 再開や別の治療の判断は早いほど選択肢が広い |
食事の具体的な内容はマンジャロ中の食事で解説しています。投与中に身についた「少量で満足する食べ方」を、中止後も意識的に続けることが維持の土台になります。
再開する場合の用量と注意点
マンジャロを中止した後に再開する場合、再開用量に一律の基準はありません。休薬期間が長いと再開時に胃腸症状が出やすくなるため、導入用量の2.5mgから始め直すことを医師が検討することがあります。電子添文の用法は「2.5mgを4週間投与した後、5mgへ増量」で、休薬期間・中止理由・副作用歴をもとに処方医が再開時の用量を判断します。
再開の判断で確認される主な項目は、中止後の体重の戻り幅、中止した理由、現在の既往歴・服用薬・妊娠の可能性です。副作用で中止した場合は、同じ副作用が再び出る可能性を考慮し、より低い用量で維持する計画が検討されます。
参考として、保険診療のゼップバウンドの最適使用推進ガイドラインは、中止後に肥満症の悪化が認められた場合、原則6ヶ月以上の食事療法・運動療法を実施しても必要な場合に限って再投与するとしています。同一成分でも適応・制度が異なるため、自由診療のマンジャロに同じ規定はありません。「再開の前に生活習慣で維持できるかを確認する」という考え方の参考にとどめてください。
ダイエット目的のマンジャロは適応外使用の自由診療で、公的医療保険は適用されません。日本糖尿病学会(2023年11月28日改訂の見解)は、2型糖尿病のない日本人での安全性・有効性は確認されていないと注意喚起しています。
標準的な使用期間は3〜6ヶ月以上、週1回の皮下注射を月4回行い、費用は診察料・送料込みで2.5mg×4本が月およそ10,000〜30,000円です(2026年9月3日・編集部調査)。吐き気・便秘・下痢・食欲減退などの消化器症状のほか、まれに急性膵炎・胆嚢炎・胆管炎・イレウスなどが報告されています。
キレイパスオンラインクリニックでの取り扱い
| 用量 | 通常価格 | キレイパス初回割 |
|---|---|---|
| 2.5mg | 12,500円 | 8,750円 |
| 5mg | 22,800円 | 15,960円 |
| 7.5mg | 32,300円 | 29,070円 |
| 10mg | 40,500円 | 36,450円 |
| 12.5mg | 47,400円 | 42,660円 |
| 15mg | 53,000円 | 47,700円 |
定期便に回数の縛りはなく、次回発送予定日の5営業日前までの申請で停止できるため、やめどきに合わせて中止できます。再開時の用量はビデオ通話の診察で医師が判断します。「キレイパス初回割」はキレイパスで初めて購入する方が対象で、2回目以降は通常価格です(2.5mg・5mgの4本は30%、それ以外は10%割引。2026年9月時点)。
自由診療のため公的医療保険は適用されず、医薬品副作用被害救済制度の給付対象外となる可能性が非常に高い点にご注意ください。診療の流れはダイエット診療メニューを参照してください。
まとめ
- ダイエット目的のマンジャロに標準使用期間や投与上限はない。3〜4ヶ月は効果不十分時の見直し目安、72週は臨床試験の評価時点
- SURMOUNT-4試験では、中止群の体重が52週で平均14.0%戻り、継続群はさらに5.5%減った。中止後は一部戻ることを前提に計画する
- やめどきは、目標到達・3〜4ヶ月で改善なし・副作用・妊娠希望・費用の5基準で医師と判断する
- やめ方は副作用・体重推移で異なり、処方医が判断する。中止後も作用がしばらく続くため、体調の変化に注意する
- 中止後はたんぱく質優先の食事・週150分の運動・体重の記録で維持し、再開時は休薬期間に応じて2.5mgからの始め直しを医師が検討することがある