マンジャロ(チルゼパチド)の副作用で最も多いのは、吐き気・便秘・下痢・食欲減退などの消化器症状です。国内第III相試験(単独療法・52週・636例)では悪心が5mg群11.9%、10mg群19.6%に見られ、多くは投与開始直後や増量直後に出て数日から数週間で軽減する傾向があります。一方、急性膵炎(0.1%未満)や胆嚢炎・胆管炎などの重大な副作用も報告されており、持続する強い腹痛や黄疸は受診が必要なサインです。
マンジャロの副作用は、頻度の高い消化器症状(対処しながら続けられることが多い)と、頻度は低いが受診が必要な重大な副作用(急性膵炎・胆道系・イレウス・低血糖・アナフィラキシー)の2つに分けて理解します。
本記事では、マンジャロの電子添文と患者向医薬品ガイド(2026年6月更新)、国内外の第III相試験のデータをもとに、副作用の頻度・持続期間・対処法・受診の目安を整理します。
📖 GLP-1受容体作動薬全般(リベルサスなど)の副作用と対処法はGLP-1ダイエットの副作用にまとめています。本記事はマンジャロ(GIP/GLP-1受容体作動薬)に特有の頻度データと注意点に絞って解説します。
マンジャロの副作用で最も多いのは?(頻度一覧)
マンジャロの副作用で最も多いのは消化器症状です。電子添文では、悪心・嘔吐・下痢・便秘・腹痛・消化不良・食欲減退が「5%以上」の頻度に分類されています。
| 頻度 | 副作用 |
|---|---|
| 5%以上 | 悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、消化不良、食欲減退 |
| 1〜5%未満 | 腹部膨満、胃食道逆流性疾患、おくび(げっぷ)、注射部位反応、膵アミラーゼ増加、リパーゼ増加、体重減少、疲労 |
| 重大な副作用 | 低血糖(頻度不明)、急性膵炎(0.1%未満)、胆嚢炎(頻度不明)、胆管炎(0.1%未満)、胆汁うっ滞性黄疸(頻度不明)、アナフィラキシー・血管性浮腫(頻度不明)、イレウス(頻度不明) |
用量別の発現率は、電子添文の副作用の項に記載された国内第III相試験(単独療法・52週・636例)で確認できます。以下は電子添文の数値で、後述する臨床試験論文の有害事象データとは集計方法が異なります。悪心は5mg群11.9%、10mg群19.6%、15mg群19.4%、便秘は13.8%・16.5%・11.9%、食欲減退は13.8%・12.0%・21.3%、下痢は5mg群で10.1%でした。
同じ試験を報告したSURPASS J-mono試験(Lancet Diabetes Endocrinol 2022, n=636, 日本人2型糖尿病患者)では、対照のデュラグルチド0.75mg群の悪心が8%、便秘が11%でした。GLP-1受容体作動薬全体に共通する症状ですが、マンジャロでは用量が上がるほど悪心の頻度が高くなる傾向が見られます。
臨床試験論文で報告された有害事象による中止率は、SURMOUNT-1試験(NEJM 2022, n=2,539, BMI30以上または27以上で合併症のある非糖尿病の成人)で5mg群4.3%、10mg群7.1%、15mg群6.2%、プラセボ群2.6%でした。
日本人の肥満症患者を対象にしたSURMOUNT-J試験(Lancet Diabetes Endocrinol 2025, n=225)では、有害事象による中止が10mg群1%、15mg群0%、プラセボ群4%と少なく、大半の参加者が消化器症状と付き合いながら72週間の投与を完了しています。
マンジャロの副作用はいつまで続く?
マンジャロの消化器症状は、投与開始直後と増量直後に出やすく、多くは軽度から中等度で、数日から数週間で軽減する傾向があります。SURMOUNT-1試験でも、消化器症状は主に用量漸増期に発生し、大半が軽度から中等度と報告されています。
症状が出やすい時期は2つあります。1つ目は初回投与から数日で、胃の動きが緩やかになる作用に体が慣れていない時期です。2つ目は増量直後で、2.5mgから5mgへ上げたときや、5mgから7.5mg以上へ上げたときに一時的に吐き気や食欲減退が強まることがあります。電子添文が増量間隔を4週間以上と定めているのは、各用量での症状の落ち着きを確認するためです。
数週間たっても症状が軽減しない場合や、食事がほとんど取れない状態が続く場合は、用量が体に合っていない可能性があります。前の用量に戻す、増量を見送る、一時的に休薬するといった対応を医師と相談してください。用量の調整方法はマンジャロの用量と増量スケジュールで解説しています。
吐き気・嘔吐が出たらどうする?
マンジャロで吐き気が出たときの基本は、食事の量と内容を調整することです。1回の食事量を減らして回数を分ける、脂っこい食事や満腹になるまでの食事を避ける、食後すぐに横にならないといった工夫で軽減が期待されます。
嘔吐が続く場合は脱水に注意が必要です。患者向医薬品ガイドは、下痢・嘔吐が続くことで脱水になり急性腎障害があらわれるおそれがあるとして、適度な水分補給と、症状が続く場合の受診を求めています。水分が取れない状態が1日以上続く場合は、我慢せずに医療機関へ連絡してください。
吐き気止めの処方については、投与初期に吐き気が強い場合、医師の判断でメトクロプラミド(商品名例: プリンペラン)などの制吐剤を併用処方することがあります。希望すれば常に処方されるものではなく、症状の程度をもとに医師が判断します。
嘔吐を伴うみぞおちの強い痛みや背中の痛みがある場合は、通常の吐き気ではなく急性膵炎の可能性があります。患者向医薬品ガイドは、胃腸障害があらわれた場合に急性膵炎の可能性を考慮し、必要に応じて画像検査などで原因を調べることがあるとしています。強い痛みを伴う場合は、次の章の受診の目安を確認してください。
便秘・下痢への対処
マンジャロの便秘は、水分と食物繊維を意識的に取り、体を動かすことが基本の対処です。食事量が減ることで便の量そのものが減り、腸の動きも緩やかになるため、意識して水分を取らないと便秘になりやすくなります。
数日以上続く場合や腹痛・腹部膨満を伴う場合は、医師の判断で便秘薬(酸化マグネシウムなど)を併用することがあります。市販薬を使う場合も、マンジャロを使用中であることを薬剤師に伝えてください。
便やおならが出ず、吐き気・嘔吐・お腹の張り・腹痛を伴う場合は、イレウス(腸閉塞)の可能性があります。電子添文はイレウスを重大な副作用(頻度不明)として記載しており、腹部の手術歴やイレウスの既往がある方は特に注意が必要です。単なる便秘と区別がつかない場合は受診してください。
下痢の場合は、脂っこい食事を避け、水分を補給しながら様子を見ます。下痢と嘔吐が重なると脱水が進みやすいため、水分が取れない・尿が減るといった変化があれば医療機関へ連絡してください。より詳しい対処法はGLP-1ダイエットの副作用にまとめています。
食欲がなくて食べられない・痩せすぎたら?
マンジャロの食欲減退は減量効果と表裏の関係にあり、国内試験では15mg群で21.3%に見られました。食事が取れないほど強い場合は、用量が合っていない可能性があります。
対処の基本は、量より内容を優先することです。食べられる量が少ないときは、たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品)を優先し、筋肉量の減少を防ぎます。水分と電解質も意識して取ってください。極端に食事量が減った状態が続くと、栄養不足や体力低下につながります。
減量のペースが速すぎる場合も注意が必要です。患者向医薬品ガイドは、過度の体重減少がみられた場合は処方医に相談するよう求めています。目標体重に近づいた場合や、BMIが標準範囲を下回りそうな場合は、用量の減量や休薬を医師と相談してください。急激な体重減少は胆石症の発症リスクにも関わります。
注射部位の赤み・かゆみは問題ない?
マンジャロの注射部位反応(赤み・かゆみ・腫れ・痛み)は、電子添文で1〜5%未満の頻度に分類される副作用で、多くは数日で軽快します。
予防の基本は、毎回注射する場所を変えることです。電子添文は、腹部・大腿部・上腕部のいずれかに皮下注射し、同じ部位の中で注射する場合も毎回場所を変えるよう定めています。同じ場所に続けて打つと皮膚が硬くなったり、反応が強く出たりすることがあります。
腫れが広がる、痛みが強い、発熱を伴う、全身のかゆみやじんま疹が出る場合は、注射部位反応の範囲を超えている可能性があります。特に唇・まぶた・舌・顔・首の急な腫れ、喉のつまる感じ、息苦しさは血管性浮腫やアナフィラキシーのサインのため、直ちに医療機関を受診してください。正しい注射部位の選び方と打ち方はマンジャロの打ち方で解説しています。
低血糖は起こる?
マンジャロ単独で低血糖が起こる頻度は低いとされていますが、電子添文は重大な副作用として低血糖(頻度不明)を記載しています。マンジャロは血糖値が高いときにインスリン分泌を促す仕組みのため、単独では血糖を下げすぎにくい一方、他の血糖降下薬との併用で低血糖のリスクが高まります。
注意が必要なのは、スルホニルウレア薬・速効型インスリン分泌促進薬・インスリン製剤を併用している場合です。患者向医薬品ガイドは、併用時に医師の判断で併用薬の量を減らすことがあると説明しています。ダイエット目的で使用する方も、糖尿病治療薬を服用している場合は処方前に必ず伝えてください。
低血糖の症状は、脱力感・強い空腹感・冷汗・動悸・手足のふるえ・意識が薄れるなどです。症状が出たら、砂糖や糖質を含む食品を取ってください。食事が不規則な方、飲酒量が多い方、激しい運動をする方は低血糖を起こしやすいとされており、患者向医薬品ガイドでも注意が求められています。飲酒との関係はGLP-1とお酒は併用できる?で解説しています。
受診が必要な重大な副作用のサイン
マンジャロの重大な副作用は頻度が低いものの、放置すると命に関わることがあります。症状と疑うべき副作用、取るべき行動を整理します。
| 症状 | 疑われる副作用 | 行動 |
|---|---|---|
| 嘔吐を伴うみぞおちの強い痛み、背中の痛み、発熱 | 急性膵炎(0.1%未満) | 使用を中止し、速やかに受診 |
| 右上腹部の強い痛み、発熱、寒気、白目や皮膚が黄色い、尿の色が濃い | 胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸 | 速やかに受診 |
| 便やおならが出ない、吐き気・嘔吐、お腹の張り | イレウス | 速やかに受診 |
| 脱力感、冷汗、動悸、手足のふるえ、意識の低下 | 低血糖 | 糖質を取り、繰り返す場合は受診 |
| 全身のかゆみ・じんま疹、顔や喉の急な腫れ、息苦しさ | アナフィラキシー・血管性浮腫 | 直ちに救急受診 |
| 首に硬いしこりがある | 甲状腺関連の症状 | 処方医に相談し、専門医受診の指示を受ける |
急性膵炎は電子添文で0.1%未満とされる頻度の低い副作用ですが、発症時は使用を中止して速やかに受診する必要があります。胆道系の副作用(胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸)は、急激な体重減少に伴う胆石症とも関連し、実臨床では膵炎より遭遇する機会が多いとされています。強い腹痛が出たときは、膵炎だけでなく胆石症・胆嚢炎も鑑別の対象になります。
厚生労働省の安全性情報No.406(2023年12月)は、美容・痩身目的の適応外使用について安全性・有効性が確認されていないと注意喚起しています。ダイエット目的で使用する場合も、重大な副作用のリスクは2型糖尿病患者と同様に存在するため、症状の出方を把握したうえで使用してください。
副作用が出やすい人・処方前に伝えること
マンジャロの副作用リスクは、既往歴や生活習慣によって変わります。電子添文と患者向医薬品ガイドで注意が求められている条件を、処方前に医師へ伝える項目として整理します。
| 条件 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 妊娠中・妊娠の可能性がある | 投与しない | 動物試験で胎児毒性が認められている。使用中と終了後1ヶ月は避妊 |
| 授乳中 | 医師が有益性を判断 | 母乳中へ移行することがある |
| 1型糖尿病、糖尿病性ケトアシドーシス | 禁忌 | インスリンの代わりにならない |
| 膵炎の既往 | 特に注意 | 急性膵炎のリスク |
| 重度の胃腸障害(重症胃不全麻痺など) | 特に注意 | 胃腸障害の症状が悪化するおそれ |
| 腹部の手術歴・イレウスの既往 | 特に注意 | イレウスのリスク |
| 糖尿病治療薬を服用中 | 併用薬の調整 | 低血糖のリスク |
| 飲酒量が多い、食事が不規則、激しい運動をする | 注意 | 低血糖を起こしやすい |
| 糖尿病網膜症の既往 | 注意 | 急激な血糖変化で悪化することがある |
妊娠との関係は特に重要です。電子添文は、妊婦または妊娠している可能性のある女性には投与しないと定めており、患者向医薬品ガイドは使用中および使用終了後1ヶ月間の避妊を求めています。妊娠を希望している方は、開始前に医師へ伝えてください。
処方を見送られる条件に該当する方に処方する医療機関は、安全面の基準を満たしていません。リスク説明と問診を丁寧に行うクリニックの選び方はマンジャロのクリニックの選び方、オンライン診療での処方の流れはマンジャロのオンライン処方で解説しています。
副作用で中止した後の注意
マンジャロを副作用で中止した後も、しばらくは体調の変化に注意が必要です。マンジャロは週1回投与の製剤で、投与中止後も作用が持続します。患者向医薬品ガイドは、投与中止後も副作用の発現や血糖値に気をつけ、異常を感じたら医師または薬剤師に相談するよう求めています。
中止・再開の判断は自己判断で行わず、処方医に相談してください。副作用が用量に起因している場合、中止ではなく前の用量に戻す、あるいは一時的に休薬してから再開するという選択肢もあります。体質的に合わない場合は、経口薬のリベルサス(セマグルチド)など別の選択肢を検討することもあります。切り替えの考え方はリベルサスとマンジャロの違いを参照してください。
ダイエット目的のマンジャロは適応外使用の自由診療で、公的医療保険は適用されません。標準的な使用期間は3〜6ヶ月以上、週1回の皮下注射を月4回行い、費用は診察料・送料込みで2.5mg×4本が月およそ10,000〜30,000円です(2026年9月3日・編集部調査)。副作用が出た場合に減量・休薬の相談ができる医療機関で受けてください。
キレイパスオンラインクリニックでの取り扱い
| 用量 | 通常価格 | キレイパス初回割 |
|---|---|---|
| 2.5mg | 12,500円 | 8,750円 |
| 5mg | 22,800円 | 15,960円 |
| 7.5mg | 32,300円 | 29,070円 |
| 10mg | 40,500円 | 36,450円 |
| 12.5mg | 47,400円 | 42,660円 |
| 15mg | 53,000円 | 47,700円 |
「キレイパス初回割」はキレイパスで初めて購入する方が対象で、2回目以降は通常価格です(2.5mg・5mgの4本は30%、それ以外は10%割引。2026年9月時点)。
国内では2型糖尿病薬として承認されており、ダイエット目的の使用は適応外処方として自由診療で提供。公的医療保険・医薬品副作用被害救済制度の対象外です。診察料・再診料は無料で、副作用が出た場合の減量・休薬は再診で医師に相談できます。詳細はダイエット診療メニューを参照してください。
まとめ
- マンジャロの副作用で最も多いのは吐き気・便秘・下痢・食欲減退などの消化器症状。国内試験では悪心が5mg群11.9%、10mg群19.6%
- 消化器症状は投与開始直後と増量直後に出やすく、多くは軽度から中等度で数日から数週間で軽減する。続く場合は用量の見直しを医師に相談
- 急性膵炎(0.1%未満)・胆嚢炎・胆管炎・イレウス・低血糖・アナフィラキシーは重大な副作用。持続する強い腹痛・右上腹部痛・黄疸・顔や喉の腫れは受診のサイン
- 妊娠中・妊娠の可能性がある方には投与できず、使用中と終了後1ヶ月は避妊が必要。膵炎の既往・胃腸障害・腹部手術歴・糖尿病治療薬の服用は処方前に伝える
- 中止後も作用が持続するため体調変化に注意し、中止・再開は医師と相談する