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美容内服の『合剤』とは|5合剤・6合剤の違いと選び方を医師監修で解説

美容内服の合剤(5合剤・6合剤)を医師が解説する記事イメージ

『合剤(配合剤)』とは、2種類以上の有効成分を1つの製剤にまとめた医薬品のことです。 美容内服の領域では、従来「シナール・トラネキサム酸・ハイチオール」など複数錠を併用していた処方を、1錠にまとめた合剤が広がっています。本記事では、合剤の医薬品用語上の定義と、5合剤・6合剤の違い、選び方を医師監修の観点から横断的に整理します。

なお、合剤の中にはトラネキサム酸L-システインビタミンCなど、それぞれ単剤としても使われる成分が組み合わされています。本記事は合剤というフォーマット全体を扱う記事として、シミ・肝斑治療の全体像についてはシミ・肝斑の原因と治療を参照してください。

そもそも「合剤」とは何か(医薬品用語の定義)

医薬品の世界で「合剤(配合剤)」とは、2種類以上の有効成分を1つの剤形(錠剤・カプセル・注射剤など)にまとめた医薬品のことを指します。英語では「Combination Drug」「Fixed-Dose Combination(FDC)」と呼ばれます。

合剤は美容領域に限った用語ではなく、降圧薬・糖尿病薬・吸入薬・抗HIV薬など多くの治療領域で広く使われている設計手法です。たとえば高血圧治療では、ARBと利尿薬を1錠にまとめた配合剤が長く使われており、「服薬負担の軽減によりアドヒアランス(服薬の継続)が改善する」という研究知見が蓄積されています。

美容内服の領域でこの「合剤」という言葉が使われるようになったのは、皮膚科や美容皮膚科で処方されてきた 複数錠の併用処方 を1錠にまとめる流れが進んだからです。

なぜ美容内服は「合剤化」してきたのか

美容内服では長らく、「シナール(ビタミンC)」「トランサミン(トラネキサム酸)」「ハイチオール(L-システイン)」の3剤を併用する『3点セット』が皮膚科で広く処方されてきました。3成分は作用機序が異なり、組み合わせることでメラニン生成抑制・抗酸化・ターンオーバー促進を同時にカバーできるためです。

ただし3剤を別々に服用するのは、毎日の管理として負担が大きいという声がありました。その結果、3点セットの構成成分にビタミンEやビタミンB群(ビオチン・パントテン酸)を組み合わせた合剤が、自由診療の美容内服として広がってきました。

合剤化の流れを整理すると以下のようになります。

段階構成特徴
① 単剤1成分 1錠用量を細かく調整できるが、服薬管理が煩雑
② 3点セット3成分 3錠皮膚科の標準的な美白処方。錠数は多い
③ 合剤(5合剤・6合剤など)5〜6成分 1錠1日1錠で複数成分を服用。継続しやすい

3点セットの詳細は美白3点セット解説で解説しています。

美容内服の合剤に配合される代表的な成分

合剤で組み合わされる成分は、おおむね以下の役割で分類できます。

成分主な役割
アスコルビン酸(ビタミンC)メラニン生成抑制・抗酸化・コラーゲン合成補助
L-システインメラニン生成抑制・ターンオーバーの正常化補助
トラネキサム酸メラノサイト活性化の抑制(肝斑への医療用処方として知られる)
トコフェロール(ビタミンE)抗酸化・血行サポート
ビオチン皮膚・粘膜の健康維持に関与
パントテン酸皮膚代謝のサポート
グルタチオン抗酸化・メラニン還元

7成分は単剤としても処方されてきた成分で、各成分の作用機序の詳細は単剤記事に譲ります。詳しくはトラネキサム酸L-システインビタミンC内服の効果的な飲み方を参照してください。本記事では合剤としての組み合わせ方に焦点を絞ります。

5合剤と6合剤の違い(成分マトリクス比較)

美容内服の合剤は、配合される有効成分の数によって呼び分けられます。クリニックによっては4成分版(四合剤)を提供しているところもあり、また5合剤・6合剤として運用されている製剤も広がっています。配合内容はクリニックや製剤ごとに差がある点に留意してください。

種類配合成分の傾向軸となる目的
5合剤ビタミン系(C・E・B群)とL-システインで5成分総合美肌(美白+抗酸化+代謝サポート)
6合剤(美白プラス系)5合剤の構成にトラネキサム酸とグルタチオンを追加した6成分美白に重きを置いた強化型

各合剤の中身は処方元の医師が判断して設計しているため、同じ「5合剤」と呼ばれても配合内容や用量は製剤によって異なります。検討時には配合成分の名称・含有量を必ず確認してください。

5合剤と6合剤の違いの詳細は6合剤『美白プラス』と5合剤の違いで解説しています。

合剤のメリット・デメリット

合剤は便利な剤形ですが、設計上のトレードオフもあります。導入前に以下を理解しておくことが推奨されます。

メリット

  • 服薬負担の軽減:1日1錠で複数成分を服用できるため、飲み忘れが起こりにくくなります。
  • 服薬コストの整理:複数の単剤を別々に揃える場合と比べて、配送・管理の手間が一本化されます。
  • 継続しやすい設計:処方された成分を一度に摂れるため、自己判断で「今日はビタミンCだけ」のように偏った服薬になりにくいのが特徴です。

デメリット

  • 用量の個別調整がしにくい:合剤は配合比率が固定されているため、「ビタミンCだけ用量を増やす」といった調整は難しくなります。
  • 副作用が出た場合の原因特定に時間がかかる:胃部不快感や発疹などの副作用が出た際、どの成分が原因かを切り分けるためにいったん中止して再開試験を行うケースがあります。
  • 既往症との兼ね合いを毎回確認する必要がある:トラネキサム酸を含む合剤は血栓症既往の方には適応外となるなど、配合成分すべてについて個々の禁忌・併用注意を確認する必要があります。

合剤と単剤併用のどちらが向いているかは、継続のしやすさを優先するか、用量調整の柔軟さを優先するか によって変わります。判断に迷う場合は医師の診察で相談することをおすすめします。

市販の美白サプリ・医療用医薬品との違い

美白系の市販サプリメントと、医療機関で処方される美容内服の合剤は、制度上・規格上で明確な違いがあります。

項目市販サプリ(食品)医療用合剤(自由診療処方)
制度上の位置づけ食品(健康食品)医薬品(医師の処方)
有効成分の表示義務任意表示添付文書による厳格な表示
配合用量製品ごとに任意医薬品としての規格に基づく
入手方法店頭・通販医師の診察を経て処方
副作用情報の収集任意医薬品副作用報告制度の対象

「市販で◯◯mg配合のサプリを飲んでいたが効果を実感できない」というケースで、配合用量を見直す目的で医療機関の合剤に切り替える方もいらっしゃいます。詳しくは美容内服 効果ないと感じる理由で解説しています。

合剤の選び方:医師の診察で決まる3つの軸

合剤の選択は基本的に医師の診察で判断されますが、判断軸を理解しておくと診察の場面での意思疎通がしやすくなります。

1. 主訴は何か(シミ・肝斑・くすみ・総合美肌)

シミ・肝斑が中心の悩みであれば、トラネキサム酸を含む合剤(6合剤など)が選択肢に入ります。シミと肝斑の違いについてはシミと肝斑の違いを参照してください。総合的な美肌ケア目的であれば、ビタミン系を中心とした5合剤が一般的です。

2. 既往症・併用薬・ライフステージ

血栓症の既往・経口避妊薬の併用・妊娠中や授乳中・腎機能や肝機能の状態によって、選べる合剤が変わります。トラネキサム酸を含む合剤の禁忌事項は単剤と同じため、必ず診察時に確認します。

3. 継続のしやすさ

毎日確実に服用できる生活パターンであるか、1日複数回の服薬と1日1回の服薬のどちらが続けやすいか、といった現実的な要素も判断材料になります。

合剤を処方してもらう一般的な流れ

オンライン診療で合剤を処方する場合、一般的には以下のような流れで進みます。

  1. 診療予約(クリニックにより、LINE・Web等の予約方法が用意されている)
  2. 医師とのビデオ通話で問診(既往歴・現在の服用薬・主訴を確認)
  3. 医師が適応を判断し、合剤の処方可否を決定
  4. 自宅への配送(クリニックにより最短翌日対応の場合あり)
  5. 継続時はオンラインで再診(副作用の有無と経過を確認)

監修医師の臨床ポイント

合剤を選ぶ際、診察ではまず「市販の美白サプリで物足りなさを感じているか」「3点セットを試したことがあるか」「飲み忘れが多いか」といった現状を伺うことが多くあります。1日1錠の合剤は服薬の継続性を重視する方に向きやすい一方、副作用が出た際の切り分けに手間がかかる側面もあるため、開始から数週間は体調の変化を細かく確認していくことをおすすめしています。

また、トラネキサム酸を含む合剤は血栓症の既往・経口避妊薬の併用・術後など、注意が必要なケースが複数あります。問診票では些細なことでも記載していただくことが、安全な処方につながります。

向いている人・向いていない人

向いている人

  • 1日1錠で美肌ケアを続けたい方
  • 複数の単剤を別々に管理するのが負担に感じている方
  • まずはオンラインで完結できる治療を試したい方

向いていない人(適応外となる例)

  • 妊娠中・妊娠の可能性がある方・授乳中の方
  • 血栓症の既往がある方(トラネキサム酸を含む合剤)
  • 重篤な肝・腎機能障害がある方
  • 18歳未満の方

該当する可能性がある場合は自己判断せず、診察時に必ず医師にお伝えください。

キレイパスオンラインクリニックでの取り扱い

メニュー配合成分料金(税込・定期便)
美肌内服オールインワン5合剤アスコルビン酸・L-システイン・ビオチン・パントテン酸・トコフェロール月5,430円(送料別)
美肌内服オールインワン6合剤美白プラスアスコルビン酸・L-システイン・パントテン酸・トコフェロール・トラネキサム酸・グルタチオン月6,930円(送料別)

自由診療のため公的医療保険は適用されません。診察料・再診料は無料。診療の流れや解約方法は美肌・スキンケア診療メニューを参照してください。

まとめ

  • 『合剤(配合剤)』とは、複数の有効成分を1つの製剤にまとめた医薬品のことを指す
  • 美容内服では「シナール・トランサミン・ハイチオール」3点セットを土台に、複数成分を1錠に配合した合剤が広がっている
  • 5合剤・6合剤は配合成分の数と組み合わせで区別され、6合剤は美白寄りに強化された設計になっていることが多い
  • 合剤は服薬管理がしやすい反面、用量調整や副作用の切り分けに制約がある
  • 配合内容は製剤ごとに差があり、検討時には成分名・用量と禁忌事項の確認が前提となる

よくある質問

美容内服の『合剤』とは何ですか?
合剤(配合剤)とは、2種類以上の有効成分をひとつの製剤に配合した医薬品のことを指します。美容内服では、トラネキサム酸・L-システイン・ビタミンC・ビタミンE・ビオチン・パントテン酸などの成分を1錠にまとめたものが『美容内服の合剤』として処方されます。
5合剤と6合剤はどう違いますか?
配合されている有効成分の数と組み合わせの違いです。5合剤は5成分、6合剤は6成分が1錠に含まれます。一般的に5合剤はビタミン系を中心に総合美肌をカバーし、6合剤はトラネキサム酸やグルタチオンなど美白寄りの成分を加えた設計になっていることが多いです。具体的な配合内容はクリニックや製剤ごとに異なるため、診察時に確認することが大切です。
合剤と単剤を併用するのはどちらがよいですか?
目的と継続性によって変わります。1日1錠で飲み忘れにくくしたい・服薬管理を簡素化したい場合は合剤が向きます。特定の成分だけ用量を増減したい場合や、副作用が出た成分を特定して中止する必要がある場合は単剤の併用のほうが柔軟です。医師と相談したうえで自身に合う形を選ぶことが推奨されます。
市販の美白サプリと美容内服の合剤は何が違いますか?
サプリメント(健康食品)と医薬品では制度上の位置づけが異なります。医薬品は『有効成分・含有量・効能効果』が承認されたうえで流通する一方、サプリは食品として流通します。配合用量や品質管理の規格、医師の診察を経て処方されるかどうかが大きな違いです。
合剤の副作用にはどのようなものがありますか?
配合される成分ごとに想定される副作用があり、代表的なものとしては胃部不快感・吐き気・発疹・かゆみなどが挙げられます。トラネキサム酸を含む合剤では、血栓症の既往がある方は服用を避ける必要があります。妊娠中・授乳中の方も自己判断で服用せず、必ず医師に相談してください。
美容内服の合剤は保険適用されますか?
美容目的での処方は自由診療となるのが一般的で、公的医療保険は適用されません。
オンラインで合剤を処方してもらうことはできますか?
可能です。オンライン診療を提供する医療機関で診療予約のうえ、医師とのビデオ通話で問診・診察を受けることで、合剤のオンライン処方を受けられます。診察料・薬剤費・送料の有無はクリニックごとに異なります。

この記事の監修者

橋本 麻未 顔写真

橋本 麻未

医師 / 渋谷amiクリニック 院長

杏林大学医学部を卒業後、杏林大学病院 耳鼻咽喉科にて臨床研修を経て、大手美容外科・KAUNIS CLINIC で美容皮膚科診療に従事。2023年に渋谷amiクリニックを開院し、院長として美容皮膚科診療にあたっている。日本抗加齢医学会専門医として、内服・外用・注入・機器治療を組み合わせ、5年後・10年後を見据えた継続的なスキンケア提案を行っている。

【略歴】
2015年 杏林大学医学部 卒業
2017年 杏林大学病院 耳鼻咽喉科
2020年 大手美容外科
2022年 KAUNIS CLINIC
2023年 渋谷amiクリニック 開院(院長)

【所属学会】
日本美容外科学会/日本美容皮膚科学会/日本抗加齢医学会

【資格】
日本抗加齢医学会専門医/日本医師会認定産業医

参考文献・出典

  1. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)公式サイト(医薬品医療機器総合機構)
  2. 厚生労働省 医療広告ガイドライン(令和6年3月改正)(厚生労働省)
  3. 厚生労働省 医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 第6版(令和8年3月)(厚生労働省)
  4. 日本皮膚科学会 公式サイト(日本皮膚科学会)
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